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【windows10】ついにアップグレード通知の見直しが!

2015年7月29日のリリースから1年間の期間限定で、無償アップグレードを行っているOS「Microsoft Windows10」。しかし、その通知方法や半強制的なアップグレード方法から、さまざまな論議を呼び起こしました。その経緯を振り返ってみましょう。

半強制アップグレードでトラブルが多発

最初に問題が起きたのは、2015年10月のWindows Updateでした。オプション更新プログラムのひとつ「Windows10への自動アップグレード」が、最初からチェックの入った状態で配布されたのです。気づかずにWindows Updateを進めてしまうと、OSが突然Windows10に変わってしまうという状況が発生しました。

すぐにマイクロソフト側がミスがあったことを発表して修正プログラムを配布しましたが、Windows Updateを自動更新にしていたために、被害にあったユーザーも多かったようです。

2016年2月のWindows Updateでは、「Windows10への自動アップグレード」がオプション更新プログラムから「推奨される更新プログラム」に昇格。Windows Updateを「更新は確認するが、ダウンロードとインストールを行うかどうかは選択する」に設定していたのに、知らない間に自動インストールに変更されていたため、Windows10のダウンロードが始まってしまったというケースも発生しました。2016年3月のWindows Updateでは、Internet Explorerのセキュリティパッチ「KB3139929」に、Windows10アップグレード広告が含まれていました。このため、予期せぬタイミングで画面に広告が表示されることに。その一例として、4月27日には米アイオワ州のテレビ局KCCIの天気予報で、天気図の上にWindows10のアップグレード画面が出現するというハプニングが起こってしまいました。

2016年5月のWindows Updateでは、アップグレード広告の内容が「Windows10はこのPCで推奨される更新プログラムです。このPCは次の予定でアップグレードされます」に変化。アップグレードするかどうかではなく、すでに実行を予約した状態になっているとあって、ユーザーの怒りも頂点に。「これはもうコンピュータウィルスだ」「マイクロソフトによるテロ行為」といった批判も、インターネットを中心に数多く聞かれました。

Windows10のなにが問題なのか

新たなブラウザ「Edge」や音声アシスタント「Cortana」など、さまざまな新機能を搭載したWindows10ですが、ユーザーにとってのデメリットも少なくありません。

まず、OSのアップグレード時には必ず起こる問題ですが、Windows10に対応していないソフトウェアやドライバが、まだ多数存在することです。プリンタなどの接続機器のドライバが対応していないと、Windows10へのアップグレードで使えなくなることがあります。

Windows10ではWindows Updateが自動更新になっていて、今までのようにユーザーが更新プログラムの確認やインストールを自由に設定することができません。また、メンテナンスが毎日実行されるようになっていて、メンテナンス時刻の変更はできるものの、機能自体の停止はできません。たしかに安全性は向上しますが、重要な仕事をしている際にマシンの挙動が遅くなったり、勝手に再起動されてしまったりということも起こり得ます。

さらに、Windows10にはDVD再生機能が搭載されていない、デスクトップガジェットが存在しないといった問題点もあります。さまざまな個人情報をMicrosoftと共有することになるので、プライバシー保護の観点から危険視するユーザーもいます。

しかし、Windows10自体のデメリットよりも、半強制的にアップグレードを押しつけてくる、キャンセル方法が非常に分かりにくいといったMicrosoftの対応が、ユーザーの反感を招いてしまったと言わざるを得ません。

ついにマイクロソフトがゴリ押しを断念

2016年7月、ついにマイクロソフトはWindows10への自動更新を打ち切りました。

Windows10の半強制的なアップグレードは世界的な問題となっていて、日本でも6月7日に「マイクロソフトのアップグレード手法は法的に問題がないか」という参院議員の質問主意書が政府に提出されました。それを受けて6月22日には、消費者庁が「Windows10への無料アップグレードについて、確認、留意が必要」と発表し、キャンセル方法などをサイトで公開しています。

そういった批判の声がマイクロソフトを動かしたのでしょう。これまで「Windows10を入手する」という通知画面では、日時変更やキャンセルのしかたが分かりにくく、ただウインドウを閉じただけでは自動的に更新が始まってしまう仕様になっていました。その画面表示を変更し、「更新を辞退する」という選択肢を目立たせるとともに、ウインドウを閉じると数日後に再表示するようになりました。

ウインドウの表示は7月10日までに、順次切り替わる予定になっています。

Windows10アップグレードのキャンセル方法

ウインドウの表示切り替えが間に合わず、アップグレードが始まってしまった場合のキャンセル方法をご紹介しておきましょう。

すでにWindows10へのアップグレードが行われてしまっても、Windows10のセットアップ時に表示される「これは法的文書です」という画面で、ライセンス条項を「拒否」することでアップグレードを中止できます。

ただ、マシンのスペックにもよりますが、ライセンス画面にたどり着くまでに2時間近くかかる上に、ここから元のOSに戻すために1時間ほど必要です。

アップグレードが完了してしまっても、30日以内なら元のOSに戻すことができます。

アップグレードを推奨する理由

マイクロソフトは、Windows10へのアップグレードを推奨する理由として、新機能やパフォーマンスの向上、セキュリティの強化などを挙げています。しかしそれだけの理由で、ここまで半強制的にアップグレードを進めるものでしょうか。

現在、マイクロソフトがサポートを行っているOSは、Windows7、Windows8.1、Windows10の3種類です。これがWindows10に一本化されれば、サポートのコストを引き下げることができます。

また近年では、OSでの収益が下がってきています。そのためマイクロソフトでも、アプリの販売やクラウドサービスなどに事業の軸足を移してきています。アプリを使えるWindows10ユーザーを増やすことは、マイクロソフトとしても優先順位の高い戦略だったと考えられます。

しかし、いくら利益を上げるためとはいえ、ここまで強引な手法をとってしまったマイクロソフト。今後も企業としての姿勢が問われていくことになるでしょう。

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