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【人員削減】突然肩を叩かれる背景はこうだった!

台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による買収が決定したシャープ。当初は「人員の削減は行わない」と雇用の維持を発表していたのですが、一転して大規模な人員削減が検討されています。どうしてこんな方向転換が行われることになったのでしょうか。

なぜシャープが買収されることになったのか

2000年代には、大型液晶テレビや太陽電池・太陽光発電モジュールでトップシェアを獲得していたシャープ。じつはその凋落の原因も、大型液晶テレビだったといわれています。

液晶パネルの増産を目指して専門の工場を作ったものの、リーマンショックで需要が大幅に減少。液晶パネルの価格も急落しました。液晶パネルに力を入れるあまり、後に続く次世代製品が生み出せなかったシャープは、その影響を正面からかぶることになりました。

世界が電化製品の低価格化に動くなかで、シャープは「高品質なら、価格が高くても売れる」と品質にこだわった製品を生産し続けました。そして、赤字をさらに膨らませる結果となったのです。

買収発表時には「雇用維持」としていた

経営不振に陥ったシャープは、2012年から鴻海精密工業と業務提携をして、事実上の支援を受けていました。それでも経営が立て直せず、ついに2016年2月に鴻海による買収が発表されました。

業務提携の時点で、シャープはすでに大規模な人員整理を行っています。2012年と2015年に、それぞれ約3000人の希望退職者を解雇しました。これはグループ全体での従業員数の1割以上にも上る人数です。

そのため買収が発表された時点では、鴻海の郭台銘会長も「最善を尽くして、従業員全員の雇用を維持できるようにしたい」と語っていました。

突然浮上した人員削減の可能性

一転して人員削減の可能性が出てきたのは、2016年5月のことです。

鴻海の郭台銘会長と、シャープの次期社長となる戴正呉副総裁から、シャープの従業員に向けて「コスト削減なしに再建は実現できないことが明確になった。残念なことだが、コスト削減には従業員の削減を伴う必要がある」というメッセージが発信されました。

同時にシャープは、「最大7千人程度の人員削減」と書かれた決算資料を公開しましたが、約1時間後に「事務的なミスがあった。人員削減を検討した事実はない」として資料を取り下げました。

しかし、シャープの現在の債務状況を考えると、リストラは不可欠なのではと言われています。

リストラについての今後の見通し

シャープと鴻海精密工業は、ともに電化製品の生産を手がける企業です。そのため、業務が重複している部門も数多くあります。買収が完了すれば、そういった部門は当然整理されることになるでしょう。

また鴻海では、平素から個人の業績を検討した上での解雇を毎年行っています。鴻海の郭会長によれば、全従業員の5%程度は、このリストラに該当するそうです。買収後には、シャープにもこのシステムが導入されると考えられます。

ただ郭会長は同時に、「今のポジションが適正ではなかった従業員にも、もう一度チャンスを与えたい」とも語っています。

一斉リストラが行われるかどうかはともかく、大規模な組織改編が行われることは間違いありません。それにともなって、従業員の大胆な部署移動もなされることでしょう。新体制に対応できない人材については、今年度中にも肩たたきが行われると見られています。

シャープの人員削減は他人事ではない

市場で求められる製品は、刻一刻と変化しています。その変化に対応できない企業は、どんどん淘汰されています。

またグローバル化が進んだことから、日本企業も終身雇用制度を維持したままでは、世界の企業に太刀打ちできなくなってきました。

そういった変化の中では、どんな変化にも対応できる柔軟さと、つねにスキルアップを心がけて自分の価値を高める勤勉さを持った従業員が求められることになるでしょう。

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