就活

2016~2017 就職率の傾向は?

2016年春に卒業した大学生の就職率が、過去最高を記録しました。リーマン・ショックのあった2011年から、5年連続で上昇を続けてきた就職率。2017年卒の新卒採用活動も6月1日に面接が解禁となりましたが、どんな傾向なのでしょうか?

選考解禁から1ヶ月時点での内定率

2017年3月卒業予定の大学生・大学院生については、2016年3月1日から説明会が解禁、6月1日から面接・内々定が解禁となりました。

総合サービスブランド「マイナビ」の「2017年卒マイナビ大学生就職内定率調査」によると、6月末時点での内定率は65.3%となっています。選考解禁から約1ヶ月で、すでに就活生の3人に2人は内定を得ている状況です。

昨年の同じく6月末時点での内定率は44.2%でしたから、今年は就職率が大幅に上がっているように感じてしまいます。

しかし2016年3月の卒業生は、選考の解禁日が8月1日とかなり遅めでした。選考解禁から約1ヶ月後の8月末時点の内定率は69.1%なので、それとくらべればほぽ同じくらいです。

就職活動が早期決着型になる理由

昨年にしろ今年にしろ、選考会金からたった1ヶ月で内定率が65%を超えるというのは、非常にペースが早く感じることでしょう。これは選考解禁日となったとたん、大手企業が一斉に内定を出し始めることが大きく影響しています。

大手企業は説明会などを通して、解禁日以前から優秀な学生をチェックしています。また近年では一般的になってきたインターンシップ制度などで、学生の囲い込みも公然と行われています。「6月1日に選考解禁」という取り決めは、形骸化していると言わざるを得ません。

また、6月に説明会解禁、6月に選考解禁というのは、日本経済団体連合会、いわゆる「経団連」での知り決めです。そのため、経団連に加盟していない外資系企業や中小企業では、優秀な学生を経団連加盟の大手企業に取られてしまうことを避けるため、より早い時期から内定を出すようにしています。

どの企業も優秀な学生を採用したいと考えるのは当然のこと。そのため近年の就職活動は、選考が解禁されたとたんに終盤に突入するという、異常なスケジュールとなってしまっているのです。

早期決着型となった就職活動の影響は?

選考解禁から約1ヶ月で就職活動が終盤となってしまう早期決着型は、学生にとっても企業にとってもデメリットがあります。

学生はにとっては、就職活動期間が3月から6月までの3~4ヶ月しかありません。そのため、十分な企業・業界研究ができないまま、内定を得てしまうことになります。その結果、「この業界に就職して、本当にいいのだろうか」「もっと自分に合った企業があるのでは?」といった悩みを抱えてしまうことも。

事実、前述のマイナビの調査では、内定のあるなしにかかわらず「今後も就職活動を継続する」と回答した学生は、58.1%にも上っています。これも、就職活動について迷いがあるからこその結果でしょう。

企業側としては、いくら内定を出しても最終的に逃げられてしまう可能性があるのですから、たまったものではありません。そのため内定対象者に対して、インターンシップや講習会などで囲い込みを行うこととなります。

インターンシップや講習会は、企業への理解を深めるのにも役立ちますから、デメリットばかりではありません。しかし、6月から翌年3月までの長期間にわたって囲い込みを続けなければならないのは、企業にとって非常に負担になります。

2017年卒の最終的な就職率はどうなる?

厚生労働省と文部科学省による就職内定状況の共同調査では、2016年3月に大学を卒業した人の就職率は97.3%でした。これは調査を始めた1997年以降、もっとも高い数値です。

リーマン・ショックによって過去最低を記録した2011年3月卒の91.0%から、就職率は年々上昇。2016年は、リーマン・ショック前の最高値だった2008年3月卒の96.9%を超えました。

日本経済も堅実な成長傾向にある今、就職率もこのまま右肩上がりを続けると見られています。ただ、景気が良くなれば企業の採用が増えるというわけではありません。

1990年代前半、バブルによる好景気で新卒採用を増やした大手企業は、バブル崩壊によって採用を極端に絞らざるを得なくなりました。そういった企業では現在、社員の年齢バランスが非常に悪くなっています。その経験から、大手企業では景気の良し悪しに関わらず新卒採用数を一定に保つ傾向があります。加えて、社員の年齢バランスを整えるため、即戦力になる30代から40代の中途採用に力を入れるようになってきています。

そういった傾向が強く出ると、景気が上がってきても新卒就職率は横ばい、あるいは微減する可能性もあります。

イギリスのEU離脱による影響

さらなる懸念材料としては、イギリスのEU離脱問題があります。

6月24日、イギリスで欧州連合離脱の是非を問う国民投票が行われました。その結果、わずか3%の僅差で離脱派の勝利となりました。この結果を受けて、キャメロン首相も辞意を表明しています。

現在、イギリスに進出している日系企業は1000社以上。とくに、生産拠点をイギリスに置いて、欧州全域に輸出を行っている自動車産業は、大きなダメージを受けると見られています。

また、イギリスの通貨ポンドが不安定になることにより、円を買う動きが強まり、円高になることが考えられます。円高になると輸出産業の利益が減ってしまうため、これも大きな影響があります。

ただ、イギリスが本当にEUを離脱することになったとしても、今すぐというわけではありません。さまざまな手続きなどがあり、早くても2年後になります。

そのため、まだ就職活動への懸念材料になるとは限りませんし、少なくとも2017年卒の就職への影響はないと見ていいでしょう。しかし、将来的にはユーロ危機のような状態に陥る可能性もあり、今後も注視していく必要があります。

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