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報連相の基本原則と注意すべき点

「報連相(ほうれんそう)」とは、「報告」「連絡」「相談」の略語です。この報連相は、仕事を円滑に進め、新入社員にとっては、失敗を未然に防ぐ重要事項でもあります。そこで、今回は「報連相」について解説しましょう。

報連相の基本①|なぜ報連相が大切なの?

報連相の重要性について説明しましょう。

「指示された仕事の報告」とは、結果だけでなく、進行状況やわからないところ、問題点、中間報告、終了報告まで、ケースバイケースであらゆる情報を含みます。

とくに新入社員や入社数年の若手社員は、まだ業務に対して経験が未熟ですから、この「ケースバイケース」がわからないのです。

仕事には、例外はつきものです。「言われたまま」だったり、「マニュアル通りにわからないまま」だったりして、気づかないまま間違った判断をしてしまうことも多いのです。
「早く一人前になりたい!」と頑張っているまじめな新入社員ほど自分で判断してしまい、思わぬ事態を招くこともあります。

結果だけでなく、少しでも不安に思ったことがあった場合は、現状における自分の判断と行動と状況を正直に指示者に報告し、自分の判断が正しいかを行動する前に確認・相談しましょう。

こうして指示者と情報を共有しておけば、指示者の仕事を円滑にするだけでなく、失敗を未然に防ぎ、自分を守ることにもなります。

まだ業務に不慣で未熟なときほど、指示者の上司と情報共有が完全であれば、指示者があなたの危うさに気づき、思わぬ失敗や事故を未然に防いでくれるからです。

だから自分が未熟な間は、注意されて初めて「この場合はこうするべきなのか!」と気づくことも多いはずです。その場合は、その失敗を二度としないためにも、失敗した理由の自己分析が重要です。

しかし、指示者は忙しいので、情報は簡潔に必要事項を逃さず伝達する必要があります。
そのために活躍するのが、5W1Hです。
(When:いつ/Where:どこで/Who:誰が/What:何を/Why:なぜ/How:どうした)
これは情報伝達のポイントです。

さらに伝言メモには、“+2W”(Who:○○様へ/When:伝言を受けた正確な日時)も忘れずに!

報連相の基本②|報連相の3つのレベル

報連相のレベル(指示者との情報供給レベル)には、3段階あります。

① 初心者:事実の共有(支持者の言葉の通り)
② 中級者:意思の共有(指示の意味がわかっている)
③ 上級者:目的の共有(指示の意味だけでなく、その原因や目的までわかっている)

まだ業務になれていない新入社員は、まだまだ情報共有の①初心者です。指示者との事実の共有を言葉通り、言われたことだけをそのまま実行することで精一杯かもしれません。

また、業務には慣れてきて初心者を教育できるようになった入社数年の若手社員も、まだまだ初心者に毛が生えた程度の社員も多く、多少有能だとしても、②中級者です。

情報共有の中級者として、指示者と意思の共有まではできるようになっていても、果たして③上級者の目的の共有までできているでしょうか?

②中級者の若手社員だとしても、仕事まだ専任させてもらえず、上司や先輩の補佐業務が主な仕事である場合も多いのです。

③上級社になるには、指示された仕事の中間・終了報告だけではまだ不足です。

仕事の状況報告だけでなく、指示者が仕事のスケジュールや仕事の進め方を理解し、指示者の次の指示が予想でき、そのための準備作業まで気遣いできるのが上級者なのです。

仕事を任せてもらいたいなら、報連相の上級者になるのが早道です。

指示者に頼られる報連相の上級者の例

上司や先輩は、あなたがした仕事を下準備として、これから仕事に取りかかるのです。
だから上司には、あなたにその作業をさせた理由があり、それを何かに使う目的があるのです。

例えばあなたが、東京→鹿児島の新幹線「さくら」に東京から乗り込んで、博多で下車し、博多で待機していた上司にバトンを渡して、上司は博多から乗車して鹿児島まで向かう。
指示者とあなたの関係は、バトンを受け渡すチームプレイなのです。

博多であなたのバトンを受け取った上司は、博多→鹿児島の新幹線の車内で、あなたが作成した資料を見て鹿児島で必要な手配を行うのだとしましょう。
上司はあなたに「鹿児島で手配が必要な物を調べておいて」と指示しました。

手配が必要なものだけの調査資料では、①初心者です。指示者と「事実の共有」だけができたことになります。
鹿児島で上司が何をするかをわかっていて、判断材料として、候補先の企業の特色やその企業の連絡先まで調べていたら、②中級者です。指示者との「意思の共有までできている」といえます。

さらに上司のスケジュールを考えて、新幹線の鹿児島着の時間を調べて、候補先の企業の担当者のスケジュールを調べて事前にアポイントを取っている。
ここまでの気遣いができたとしたら、③上級者といえるでしょう。指示者との「目的の共有までできている」といえるでしょう。

支持者との情報共有のあなたの報連相のレベルによって、指示者である上司のスケジュールの円滑さが左右されると言っても過言ではないでしょう。

このように、報連相の上級者になるには、あなたの仕事の終了が、支持者の仕事の始まりとなることを考えて、支持者が仕事をしやすい気遣いができる必要があります。

以下、報連相の初心者の失敗例を紹介します。できる社員ならどうするかの解決策も紹介していますので、参考にして下さいね。

上司を窮地に陥れる報連相の初心者の例

◆上司にアポ無しのお客様が訪れたときの対応

受付からの電話を新入社員A がとり対応。

お客様:「大阪の○○商事の山下ですが、石井部長いらっしゃいますか?」
(石井部長は会議中)
社員A:「お約束でいらっしゃいますか?」

お客様:「今日の約束はないが、今日大阪に帰りますので、ご挨拶と確認したいことがあるのです」

社員A:「申し訳ありません。お約束がないのでしたら、石井は会議中でございますのでお取り次ぎできません。」

お客様:「・・・では、お渡ししたい資料がありますので、ご伝言をお願いします。」

社員A「ただ今受付に参ります」

(「部長が書類が届いたので受け取ってきます」と周囲に伝え、社員Aが受付の所に行ってお客様に挨拶。)

お客様:「山下です。お世話になります。この資料をご確認いただいて、明日10時までにご連絡をいただけるようにお願い申し上げます。
私はこれから新幹線に乗りますので、18時以降なら電話に出られると思います。
では宜しくお願いします。」

社員A:「はい。資料をお預かりいたします。また、石井にいらしたことを申し伝えます。」

○○商事山下様は、石井部長が3年も接待を続けてやっと取引にこぎ着けた重要な取引先の専務様だったのです。
確かにアポはなかったのですが、山下専務様が上京したとき、時間の都合がついたら立ち寄る約束を石井部長としていたのです。

新入社員Aは、「書類が届いたので受け取ってきます」とまるで宅配が届いたかのように先輩に伝え受付に向かいました。

戻ってきたときは、石井部長のデスクに「○○商事山下様の来訪と伝言」を正確に伝えた完璧メモを残し、伝言完了と認識しました。そして、定時に帰社しました。

部長が会議から戻ってきたのは18時半。さて、問題発覚です。

【新入社員Aさんはどうすれば良かったの?】

ここで新入社員Aさんの失敗は、来客の存在と伝言があったことを周囲の誰にも伝えなかったことです。

実はAは知らされていませんでしたが、「○○商事の山下専務様が、今週来訪下さるかもしれない」ということを、石井部長は中堅社員に情報共有していたのです。

だから、受付に行くときに、来訪者の名前を教育係Bに伝えてさえいれば、このプロジェクトの担当者の誰かが失礼のない対応をし、会議中の石井部長にも連絡していたでしょう。

新入社員Aの教育係Bがまず叱られましたが、BはAから来客について一切報告を受けていなかったのです。

少なくとも教育係Bに「来客の電話が受付からあったこと」を報告し、「会議中の部長に連絡すべきか?」の指示を仰げば事態は変わっていました。

石井部長は、その日の最終新幹線で、大慌てで大阪の○○商社に出張となりました。

新入社員であるうちは、「自分にまで届いていない情報もある」と認識し、勝手な判断をしないようにしましょう。

手に負えない報連相の超初心者の例

◆指示者の外出中にスケジュールの変更の伝言があった場合

課長 :「月末本社に出張になったから、B社との今月末の打ち合わせが21日に変更したから。(主任の)C君に伝えといて」

社員A:「はい。わかりました。」

社員Aは、主任Cが排出中だったため、伝言メモをデスクに残した。

(17時少し前、主任Cから社員Aに電話)

主任C:「今日は直帰するけど、何かあった?」

社員A:「B社との打ち合わせが21日に変更になったと課長から連絡がありました。」

主任C:「打ち合わせ内容に変更無し?契約の日取りはそのままだって?」

社員A:「わかりません」

主任:「課長にかわって」

社員A:「外出されてまだ帰社されていません」

主任C:「どうしてすぐに連絡よこさないの?もういいや。これから戻るから、君の作業も明日までに仕上げてね。あと、X社とZ社の見積もりは12日までにできるか確認しといて。」

社員A:はい。わかりました。
(Aの心の声:「えー!今日残業ってこと?仕方ない。さっさと仕上げて帰ろう)」

(AはX社とZ社に見積もりの提出期限の変更の問い合わせをして、Z社はOKだったが、X社は難しいという回答だったので、結果をメモに残しました。
そして、少しでも早く帰るように自分の指示された作業を急ぎました。)

(主任Cが18時過ぎに帰社)

主任C:「見積もりどうだって?」(Aに質問)

社員A「デスクの上にメモを残しています」

主任「??」(急いでデスクのメモを見る)

主任「もうー!できないなら連絡して!」

主任Cは、慌ててX社に電話しましたが、担当者は帰社した後。担当者の上司に事情を話して、見積もりの提出を早めてもらいました。

その後主任Cは、不安を感じZ社に電話をすると、担当者が残業していました。
主任Cは、事情を説明して見積もり提出を12日までに変更をお願いすると、
「先ほどAさんから確認の電話があったので、その可能性大だと思いましたので、今準備中です。12日午前中には大丈夫ですよ」
と回答がありました。
主任Cの「まさかAが確認だけしかしなかったとかないよね?」という不安は的中したのです。

主任Cは、Aには何も言わずに、黙々と作業に取りかかり、Aは自分の作業を終えて、先に帰社しました。【新入社員Aさんはどうすれば良かったの?】

Aは、言われたとおりに主任Cに従っていますが、一度も謝っていません。
自分がやってしまった失敗に気づいていないのです。

Aは、自分の仕事の意味をもう少し理解しているべきでした。

課長の伝言の重要性に気づかないまでも、自分の仕事がなんに使われるのかも知らなかったとしても、「打ち合わせが早まると主任Cに影響が出るかも?」ということに気づくべきでした。

Aの失敗を避けるために、Aが気づくべきことが3つありました。

(1) 主任Cが自分が課長の伝言をもっと早く聞いていれば、今日やった仕事を先延ばししても早めに帰社して、12日の打ち合わせの準備を優先できたこと。
(2) 自分の仕事も今日中に仕上げなければならなくなるかもしれないこと。
(3) 見積もりの12日提出が可能かどうかの確認 → 12日に変更のお願い

少なくとも、主任Cが怒っているのですから、課長の伝言を夕方聞いたことで、困った事態に陥っていることに対して、多少の責任を感じた方が良いかもしれません。

主任Cは、打ち合わせに必要だから他社に見積もりをとっているのです。
だったら、見積もり提出期限も早まるのが当然です。

ということは、X社とZ社の回答だけ「OK」「難しい」の返事の伝言だけを残すのではなく、Z社には12日提出の確約を取り、X社の反応を即座に主任Cに連絡するべきです。

「確認して」といわれたから、Aは本当に確認をしただけでした。ここでも、指示されたことの意味を全く考えていません。

主任Cは、見積もりを12日までに欲しいのです。だから、Z社には変更の確約を取り、X社に対しては、「もし12日が無理なら、いつならできるのか?」を確認した上で、主任Cに連絡して指示を仰ぐべきでした。

また、他社の営業時間にもっと気を回す必要があります。他社の担当者が帰社してしまったら、明日対応となって、それだけ遅れるのです。

もう主任CはAに何も頼まず説教もせず、黙々と独りで仕事に入っています。これは、Aに一切期待せずに諦めた対応です。Cは、Aに説教して叱る時間もないほど窮地に陥っているのです。

Aは課長の伝言にも、主任の指示にも、あまりにも「言われたことだけしかしない」①初心者すぎました。主任Cの補佐役として②中級者になれる日は遠いようです。

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