不採用通知はどう書く?【ドイツの採用事情・キーンバウム】スペシャリスト不足の時代、「美しい断り方」が企業のイメージアップにつながる

採用募集広告を出せば、もちろん不採用通知も書かなければならない。どのタイミングで、どのように知らせるかが、昨今ますます重要になっている。法的な観点から考慮すべき点もある。多くのことが誤解されており、これは企業自身にとっても不利益となる。簡単なアドバイスを紹介する。

数週間、時には数ヶ月も待った末、ついに届くメールには2行しか書かれておらず、内容は、大きな希望をもって応募した案件の不採用通知。マネージャー層もよく経験するケースである。ドイツ人は機能性を追求しすぎて、時々迷走するらしい。不採用通知の多くは短く簡潔で不透明、かつ人間味に欠ける。どうやら、多くの人は、とにかく二度とその人物に会うことはないので、最小限の時間しか投資すべきではないと考えているのだろう。しかし、それは誤りだ。

今日、これまで以上に、企業は不採用通知の書き方に取り組む必要がある。良い表現は悪い表現と同じくらい周囲に広まるためである。特にスペシャリスト不足のこの時代には、雇用者は可能な限り最高のイメージを提示し、魅力を放つ必要がある。これは、従業員の解雇(*1) や不採用通知の両方に当てはまる。今は必要のない人と接しているように見えるかもしれない。しかし、時が来れば状況も変わるかもしれない。さらに、応募者にも様々な人脈があり、話をするものである。

しかしもちろん、ポジティブな例も多い。基本的に、スペシャリスト不足を感じる企業が増えるほど、より多くの努力がなされる。そして事実、圧力は高まっている。2021年の前半には、前年同期よりも65万人も多くの求人が広告された。

 

理想的な不採用通知の書き方とは?

「良い」不採用通知とはどのようなものだろうか。簡単に言うと下記の4つのポイントがある。

  1. 応募書類の受領確認は統一化すべきである。
  2. しかし、不採用通知はひな形のように見えてはならない。候補者は不採用の理由を知りたいものである。企業は理由付けの際に詳細に立ち入ってはならない観点もいくつかあるはずであるが、法的には余地が残されている。
  3. 文面はできるだけ個人的で、感謝の気持ちを表すものにした方が良い。特に名前のタイプミスは、絶対に避けるべきである。面接日など具体的な詳細を記すことは効果的である。
  4. 不採用通知はできるだけ早く送付しよう。例えば4か月、または候補者の問い合わせがあってから、というのでは遅すぎる。できれば数週間後が理想である。

法的な観点から考慮する必要のある点を一点ご紹介しよう。不採用理由は、一般平等待遇法(Allgemeines Gleichbehandlungsgesetz, AGG)の範囲に沿い、差別的であってはならない、ということである。さもないと訴訟につながる可能性がある。書面で表せないデリケートなポイントを補うために電話で説明することも良い考えではない。もっとも、個人的な対話を求めることが適切な場合もある。

個人的に良い例と思えるのは自動車部品製造のボッシュ社のシステムである。同社のドイツ全土の採用を組織するSabine Schubertは、最近発行された専門誌WirtschaftsWocheで次のように述べている。「わが社の目標は、すべての応募者に2週間以内に回答を与えることだ。」

採用面接後に不採用となった応募者は、電話で口頭での不採用通知を受けるという。「特に初めて応募するような若者は、こういった面接から何かを学ぶことができる。適格なフィードバックを与えることは、ほとんどの応募者から好意的に受け止められている」とSabine Schubert氏は述べる。このことは数字にも反映されており、ボッシュに2回目に応募する人の数は約20%である。

 

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https://www.kienbaum.com/en/services/executive-new-placement/

【執筆】
Andreas Knodel
Executive Director | Executive New Placement | Kienbaum Consultants International
Andreas.Knodel@kienbaum.de

オリジナル記事(ドイツ語):
https://www.kienbaum.com/de/blog/die-kunst-der-guten-absage/

本記事はニュースレター2021年No.6に掲載されたものです。ニュースレターは下記よりご覧いただけます。
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