DX:CDOの役割とは?デジタル化により仕事はどう変わるのか? 【キーンバウムのFUTURE JOBS #2】

CDOを置く企業が増えている。CDOとは具体的に何を行うのか。またそのミッションとは? CDOは「ニューノーマル」なのか、それともデジタル化を推進するための暫定的なソリューションに過ぎないのか?このような疑問の真相に迫り、企業組織の中でのCDOの役割と位置づけを詳しく見ていきたい。

 

 

ほんの数年前までは、ほとんどの企業が「CDO」を「Chief Data Officer、最高データ責任者」と定義していた。CDOとはデータのマスターであり、例えば経営者向けの報告書の作成などにおいて、円滑なプロセスの責任を担っていた。CIOは、IT部門の舵取りをし、自社のデジタル化を-可能な限りー進めてきた。多くの場合、IT組織はコスト効率の面から縮小され、社内プロセスを維持するための単なるサービスプロバイダーと見なされるケースが多かった。

 

デジタルの再考を促しているのは、Covid-19だけではない。アマゾンやテスラ、あるいはUberやAirBnBといった企業は、人々のデジタル化に対する欲求がいかに強いかを明確にし、これは今も健在である。すべての情報は、いつでも、どこでも入手可能でなければならない。誰もが24時間オンラインで、あらゆる情報に直接アクセスすることを要求しているのだ。この長期的なトレンドに対応するために、業種を問わずほとんどの企業が自社の再構築を余儀なくされているのである。

 

イノベーションを推進しているのはeコマース企業だけではない。伝統的な産業界からも十分な事例を挙げることができる。鉄鋼商社であれ、建設機械メーカーであれ、デジタル化はどの業界でもとどまるところを知らない。利益と売上高の増加という目標達成のためには、ビジネスを拡大し、プロセスのデジタル化や顧客とサプライヤーとのより密接なつながりを構築することが必須なのである。

 

それを実現してくれる「誰か」が必要なのだ

 

ビジネスとの連携はより緊密的かつ集中的であることが必要だ。さらにビジョンを作り、それを実現しなければならない。デジタル化は単なる大きなバズワードではなく、企業文化の変革なのだ。それでもCIOにこの転機を負担させようとするならば、インフラ、アプリケーション管理、ソフトウェア開発などの古典的なITと、デジタルトランスフォーメーションの両方の世界に十分な注意を払えなくなる危険が生じる。最終的にはどちらかの損失が生まれるわけだが、実際はどちらも必要不可欠なものだ。

 

文化的デジタル変革はトップマネジメントが創り出し、形成するものだ。そのため、革新的でコミュニケーション能力に優れ、そして何よりも共感できる実行者が必要となる。すなわちCDOChief Digital Officer、最高デジタル責任者)である。この人物は、取締役会のメンバーであるか、取締役会の直属の部下である必要がある。そうでなければ、変革はうまく機能しない。複雑なプロセスのデジタル化には、最大限の注意、機転、先見性が必要となると同時に、従業員のサポートも受けたいものである。

 

実行を円滑に行うためには、CEOCIOCDOからなる、いわゆる三位一体の体制が必要だ。この3名は、デジタル化においてそれぞれ異なる役割を担っていくことになる。CEOは知的推進者であり、CIOはソリューション提案の実行と開発に責任を持ち、CDOは取締役会のビジョンを理解し取り込み、常に新しい革新的なアイデアでその実行を可能にするのである。

 

CDOに必要な要素とは?

 

これらのアイデアは、社内プロセスへの介入だけでなく、新しいビジネスモデルや販売市場の創造にもつながるものだ。では、CDOとなるためにはどのような職務経験やバックグラウンドが必要なのだろうか。ITやビジネス、あるいはマーケティング出身者であることは必須条件だろうか?この質問に対する明確な答えはない。ビジョンと長年の経験、そして確実に業界を理解しているジェネラリストが不可欠となろう。

 

デジタル化は、その組織に適した人材が舵を取れば成功する。スティーブ・ジョブズの代わりにティム・クックがいたら、アップルはこれほど成功しただろうか?革新的で先見性のある企業となり得ただろうか?適切なタイミングにおける、適材適所の考えが必要となる。

 

最後に、CDOは暫定的なソリューションなのかという問いに対する答えであるが、それは間違いなく違うと言える。デジタル化には終わりがなく、デジタル化後は同時に再びデジタル化前だと考えるべきだろう。

 

【執筆】
Matthias Cescatti
Principal | Executive Search | Kienbaum Consultants International

Timo Lüscher
Principal | Executive Search | Kienbaum Consultants International

 

オリジナル記事(ドイツ語):https://www.kienbaum.com/de/blog/wer-braucht-einen-cdo/

 

本記事はニュースレター2022年No.2に掲載されたものです。ニュースレターは下記よりご覧いただけます。
https://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2022/06/Newsletter_No_2_2022_JP.pdf

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