DX:CIOとCTOはどう違う?デジタル化に必要なエグゼクティブとその役割 【キーンバウムのFUTURE JOBS #3】

今回は、CIOとCTOのプロフィールを定義する。両ポジションの類似性や境界線が非常にわかりやすくなるため、この2つのポジションを一度に紹介する。理想的なのは、典型的なITの意思決定をはるかに超えた役割を担うことである。

 

前回は、コーポレート・ガバナンスの観点からCDO(※1)の役割を紹介した。このように、どちらかというとソフトで文化的な影響を強く受けたプロフィールから、今回はITの中でより確立された役割であるCIOとCTOに話を移そう。まずは、簡単に両ポジションのプロフィールを紹介しよう。両者には相互に重複する部分が多いことが明らかになるはずである。CTOは、その名の通り、より技術的な側面が強い。IT構造の将来に責任を持ち、技術やハードウェアのさらなる開発や新システムの導入を担当し、ITのイネーブラーとしての位置づけを計る。

 

CIOはより戦略的なプロフィールを持ち、ITの全体的、戦略的、プロセス的な方向付けに責任を持つ。優れたCIOは、企業がより成功するために何が必要かを認識し、その目標に向かって企業を発展させる。

 

両者の役割に共通するのは、企業戦略の策定と形成に貢献し、企業がデジタル化へ踏み出すことを可能にする道筋を作ることである。現代的でアジャイルな企業では、この2つのプロフィールが、製品、イノベーション、ビジネス、新しいビジネスモデルにとって不可欠な推進力となっている。

 

現代のITは、自己完結型のサービスプロバイダーとしてだけでなく、イネーブラーとして機能する。特にシェアードサービスの時代には、多様な領域に入り込み、ビジネスを理解する思考力が役割に求められる。ITがビジネスを遂行するだけでなく、その形成に貢献できるようになるためには、両ポジションにおいて強い個性が必要となる。

 

CIOは、ビジネスとITの戦略的なつながりを理解し、発展させなければならない。だからこそこの役割を担う人物は、強力なコミュニケーターでありオピニオンリーダーであるべきだ。市場動向を把握し、競合分析を行い、アジャイルチームをマネジメントする。しかしそれ以上に、今日のCIOには、当時のジョブ・プロファイルでは優先されなかったタスクが必要となる。コスト管理、透明性、測定可能なIT。これらが、この機能の中核となるタスクである。

 

CTOは、フィンテックやインシュアテックのようなテクノロジー主導の環境において、ますます活躍の場を広げている。幅広い技術の知識と理解を持つCTOは、ハイテク企業において重要な推進力となり得る存在である。特にこの種の企業では、開発と最新のプロセスが重要なカギとなる。ここでまた、CIOとの密接な連動となる。革新的な戦略やビジネスを成功させるために、CTOは技術的な基盤を構築する。

 

しかし、CIOやCTOが成功するためには、CDOと同じ前提条件が不可欠である。つまり、CEOや取締役会が枠組みを設定し、デジタル化を推進・支援することが重要なのである。ITは企業において決定的な役割を与えられなければならず、冒頭に述べたように、単なるサービスプロバイダー以上の存在でなければならない。ITはイノベーションとビジネスの駆動力でなければならず、ITとそれに関連する役割は、経営と同じ目線の高さをもち、パートナーとして機能しなければならないのである。

 

ネットワーク時代の到来を告げるもう一つの重要な役割がCISOである。次回は、会社レベルでの仕事と影響力について説明する。

 

(※1) https://www.kienbaum.com/de/blog/wer-braucht-einen-cdo

 

 

【執筆】

Matthias Cescatti
Principal | Executive Search | Kienbaum Consultants International

 

Timo Lüscher
Principal | Executive Search | Kienbaum Consultants International

【オリジナル記事(ドイツ語):】

https://www.kienbaum.com/de/blog/die-rolle-des-cio-und-cto/

 

 

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本記事はニュースレター2022年No.3に掲載されたものです。ニュースレターは下記よりご覧いただけます。
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