魅力的なブランドをつくるための6つのステップ 【第22回キーンバウムPeople Convention】
企業は、優秀な人材の獲得と維持、というプレッシャーにさらされている。潜在的な従業員と既存の従業員の双方にとって等しく魅力的な強力なブランドを開発する必要に迫られている。メタデザイン(MetaDesign)社の戦略責任者(Head of Strategy)であるLisa KrickとキーンバウムのManagement DirectorであるEberhard Hübbeは、キーンバウム・ピープル・コンベンションに先立つウェビナーで、6つのポイントから成るプランを提示した。
労働市場は、ますます強力になる人工知能や人口統計学的要因など、技術的・社会的要因によって急速に変化している。労働市場・雇用研究所(IAB)の調査によると、2035年までにドイツ国内だけで約700万人のスペシャリストが不足すると推定されるそうだ。「人材争奪戦は現実のものとなっている」と、メタデザインの戦略責任者Lisa Krickは言う。エンプロイヤー・ブランディングは人事の中心的な仕事であるとキーンバウムの取締役Eberhard Hübbeは確信しているが、「特定の点においては、HR組織はブランドに対して限定的な視点を持っている」と述べる。
そのため、キーンバウムとドイツ・ピュブリシスグループ(Publicis Groupe Germany)傘下のブランド・コンサルティング会社であるメタデザインは、協働で新しいコンサルティングサービスを提供(※1)する。このサービスは、6つのステップでエンプロイヤージャーニーの開発を行うものである。
1. 全体像を見る
企業のブランドは常に、顧客、従業員、社会という異なる視点から着目される。ブランドはこれらの異なるグループの異なるニーズを満たす必要がある。これは具体的には、信頼を築き、魅力的な雇用主であり、責任を負う、などの形で体現されなければならない。中心にあるのは「パーパス」であり、これは3つの視点すべてに影響を与える。したがって、ブランド形成にはすべての部門が関与する必要がある。
2. 同じ言語を学び、話す
各部門には、ブランドに対する独自の見解と、それについて話すときの独自の専門用語がある。しかし、ここで極めて重要なのは、全員が同じ言葉を話し、同じストーリーを語ることである。そのためには、マーケティング用語にとらわれない共通の言葉を見つけなければならない。
3. 現状を測定する
自社ブランドの現状を把握するには、社内調査が役に立つ。これは、例えばターゲットグループやチャネルなどの外部情報と組み合わせることができる。雇用者ブランディング成熟度指数(Employer Brand Maturity Index)を利用すれば、企業の現在地をグラフィカルに位置づけることができる。
4. 未来を見据える
ブランドが表すべきことは、潜在的な人材の興味や関心ごとからも影響を受ける。重視すべきことを見極める必要がある。責任感、創造性、柔軟性、協力関係、多世代チームなど、何が大事なのか?企業は、従業員が居心地の良さを感じ、喜んで働くことができるように、これらの質問に対する堅実な答えを見つける必要がある。
5. トレンドを追うだけでなく、際立つ
競争は熾烈で、業界の枠にとどまらない。多くの企業がそのパーパスを宣伝し、ワークライフバランスや家族に優しい働き方モデルを謳っている。良い意図があっても、群衆の中に埋もれてしまう危険性は大きい。そのため、企業は個性的で本物のストーリーを語るべきである。これがブランド構築のプロセスにおいておそらく最大の課題であろう。
6. 戦略を実践する
エンプロイヤージャーニーを様々な採用フォーマットで伝えるだけでは十分ではない。それは組織内に浸透し、全従業員にとって生きた現実とならなければならない。それは、プロセス、リーダーシップ、教育や能力開発において表現されるべきである。このようにして、アイデアは最大限の力を発揮するのだ。
※1 https://www.kienbaum.com/de/leistungen/hr-transformation/employer-value-loop/
講演者
Lisa Krick
Head of Strategy | MetaDesign
Eberhard Hübbe
Management Director & Partner | HR Transformation | Kienbaum
執筆
Lucilla Schönauer
Junior Communication Specialist
講演の全編はオリジナル記事からご覧いただけます(ドイツ語)。
https://www.kienbaum.com/de/blog/in-sechs-schritten-zur-attraktiven-marke/
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http://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2023/09/Newsletter_No_4_2023_JP.cleaned.pdf
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第22回キーンバウム・ピープルコンベンションのカタログ(英語版)は無料でダウンロード可能です。
https://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2023/07/Kienbaum-People-Convention-2023_English-version.pdf
【キーンバウム・コンサルタンツ・インターナショナル】
全世界4大陸に計22の拠点を持つドイツ最大手、ヨーロッパ有数の人事およびマネジメントコンサルティング会社。創業以来75年以上、クライアント企業との信頼関係を基礎に、組織における人材の能力を最大限に引き出すことを目標とする総合的コンサルティングを提供。
【キーンバウム・ジャパン】
キーンバウムのコンサルティング業務のノウハウを活かし、日本におけるエグゼクティブサーチを目的に設立。豊富な海外ビジネス経験を背景に、クライアントのニーズを徹底的に把握し、一貫した信頼関係の中で候補者を絞り込む。雇用契約締結だけでなく長期的な人材コンサルティングのパートナーであり続けることを目標とする。
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