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【キーンバウム】第23回キーンバウム・ピープル・コンベンションを振り返る④

2024年もキーンバウムのピープル・コンベンションが開催された。このイベントは、キーンバウムが毎年開催する人事(HR)やピープルマネジメントに特化したイベントで、各業界の人事担当者や経営者が参加し、講演やワークショップを通じて最新のHRテーマについての知識や実例が共有される。今回は「Next-Gen HR: Building HumAIn Relations」をテーマとし、HR部門におけるAIの活用法、またAIがHRにもたらす影響について、講演、討論が行われた。コンベンションの概要を数回にわけて紹介する。

1.AIの「神話」を解明: Dr. Stephanie Cossmann氏の講演

Symrise AGの最高人事責任者兼労務責任者であるDr. Stephanie Cossmannは、2024年ピープルコンベンションでの講演で、AIに関する「神話」を解明した。 講演の中で彼女は、AIに対する過剰な期待を整理し、ピープルマネジメントにおける現実的な視点を提供しようとした。

Dr. Stephanie Cossmannによると、多くの人はAIを、あらゆる問題を解決できる「何でも屋」のようなものと見ているという。しかし、多くは技術的な可能性について誤った評価をしており、課題や限界について十分に考慮していないと指摘する。

講演の中心でDr. Cossmannは、AIが確かに驚異的な進歩を遂げ、多くの分野で役立つ可能性を持っているものの、現時点では人間の知性や創造性を完全に代替することはできないと強調した。AIシステムは訓練されたデータに大きく依存しており、そのデータを超えて一般化したり、新しい創造的な解決策を見出したりすることはむしろ苦手である。Dr. Cossmannは、AIがサポートするシステムは時に予測不能な誤りを犯す具体例を挙げて、この点を強調した。

また彼女は、責任ある透明性の高いAI開発の必要性を強調した。企業は、AIシステムが公正で理解しやすいものであることを保証するために、倫理的ガイドラインを導入し、従業員の信頼を強化すべきだと提唱する。

最後にDr. Cossmannは企業のリーダーたちに対し、リスクと限界を見落とすことなくAIの可能性を活用するよう訴えた。それは、バランスを見極め、常に責任あるAI導入を実現することである。

全講演と分析は録画でご覧いただけます(ドイツ語)。

https://www.kienbaum.com/blog/stephanie-cossmann-people-convention-entmystifiziert-ki/

2.Carl ZeissでのAIの活用について: Susan-Stefanie Breitkopf氏の講演

Carl Zeiss AGのエグゼクティブ・ボード・メンバー兼チーフ・トランスフォーメーション・オフィサーのSusan-Stefanie Breitkopfは、キーンバウムのピープル・コンベンションにおいて、人と機械をいかに最適に結びつけるか、そしてAIから生じる課題とチャンスについて講演した。

Susan-Stefanie Breitkopfは冒頭で、Carl ZeissではAIを脅威ではなく、チャンスと捉えていると明言した。しかし、一部のチームにとっては、AIの扱いが課題となっている場合もある。HRはここで重要な役割を担っている。HRはビジネスの戦略的パートナーとして機能し、社内で特にAIの活用を促進するなど、変革を起こすイネーブラーとしての役割を果たすべきだと述べた。戦略面では、綿密な人事計画が必要である。その中でアップスキリングとリスキリングが重要な役割を果たし、適材が適所で働けることを確保することが求められる。

Breitkopfにとって、人事部は企業におけるAI活用を成功させるための機能である。恐れやリスクは無視すべきではなく、真剣に受け止める必要があると強調する。Carl Zeissでは、人事部門は自らをAI活用のアーリーアダプターとみなし、自社内のロールモデルとしての役割を果たしたいと考えている。例えばジョブディスクリプションの作成、候補者の自動ソーシング、最初の書類選考などでは、AIはすでに以前から導入されている。

Breitkopfの講演は、人と技術の結びつきが未来の働き方において中心的な役割を果たすことを明らかにしている。そして、HRがその成功を後押しできると述べる。特に以下の点が重要である。

•  AIへの信頼を築くこと

•  AIビジョンと変革の形成を積極的に支援すること

•  AIを包括的なタレントマネジメントの文脈で捉えること

全講演と分析は録画でご覧いただけます(ドイツ語)。

https://www.kienbaum.com/blog/susan-stefanie-breitkopf-people-convention-ki-einsatz-carl-zeiss/

キーンバウムのピープル・コンベンション

キーンバウムが毎年開催する人事(HR)やピープルマネジメントに特化したイベントで、今年で開催23回目。最新のHRトレンドのほか、技術革新、特にデジタル化やAIのHRにおける影響や活用法に焦点を当て、企業の人事担当者や経営者による講演やワークショップを通じて知識や実例が共有される。

執筆

キーンバウム編集部

contact@kienbaum.de

本記事はニュースレター2024年第5号に掲載されたものです。

https://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2024/11/Newsletter_No_5_2024_JP.pdf

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キーンバウムのコンサルティング業務のノウハウを活かし、日本におけるエグゼクティブサーチを目的に設立。豊富な海外ビジネス経験を背景に、クライアントのニーズを徹底的に把握し、一貫した信頼関係の中で候補者を絞り込む。雇用契約締結だけでなく長期的な人材コンサルティングのパートナーであり続けることを目標とする。

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