1. 日本人材ニュースONLINE
  2. プレスリリース
  3. プレスリリース一覧
  4. 【キーンバウム】資本と価値観の融合 ― プライベートエクイティが中堅企業の成長エンジンになる理由: Brave Leadershipセッション3

【キーンバウム】資本と価値観の融合 ― プライベートエクイティが中堅企業の成長エンジンになる理由: Brave Leadershipセッション3

ドイツの中堅企業は巨大な課題に直面している。デジタル化、事業承継問題、そして国際化への圧力は、勇気だけでなく資本も必要とする。Kienbaum Brave Leadershipシリーズの最新回では、伝統的な企業家精神と金融投資家の間にある緊張関係に焦点が当てられた。「資本が価値観と出会う」というタイトルのもと、専門家たちは、なぜ旧来の“ハゲタカ”説が時代遅れとなったのか、そして、どのように本物の成長パートナーシップが生まれるのかについて、議論を交わした。

———————————————————————

司会を務めるKienbaumのEberhard Hübbe (Managing Director/Partner)とDr. Isabella Peres (Senior Manager)は、企業側の責任者から投資家、M&Aアドバイザーに至るまで、プライベートエクイティ取引のあらゆる側面を網羅するメンバーをこのセッションに招待した。ゲストには、Alexander Geisinger(Auxeum Group CEO)、Marc Thiery(創業者兼Managing Partner, Deutsche Private Equity “DPE”)、Christian Kasten(Partner, DPE)、Henning von Poser(Managing Director, Transfer Partners)が参加した。

ディスカッションの目的は明確だ。心理的ハードルを取り払い、プロフェッショナルな出資資本がいかに中堅企業を未来に向けて強化するかを示すことである。

地域の専門家から欧州プレイヤーへ:Auxeumの事例

Alexander Geisingerは、実務に関するリアルな洞察を示した。彼はまず、脂肪浮腫(リポエデム)の外科的治療に特化したクリニックチェーンであるAuxeumグループが、成長の限界に直面した経緯を語った。ドイツでは医師や個人が地域の枠を超えて事業を拡大することが規制上きわめて困難である、と、Geisingerは説明した。

この医療コンセプトをドイツ全土に展開するため、同社は意図的にプライベートエクイティを選択したのである。「我々には専門知識、経験、そして資本が必要だった」とGeisingerは述べた。パートナーシップ開始から数年後の総括はどうなったのかというと、期待をむしろ上回る結果を示したのである。Auxeum社は単にドイツ全土のプレイヤーになるだけでなく、スイスとオランダへの進出にも成功したのだ。今後は欧州全域での展開を目指している。この進展は、外部パートナーとその大胆な投資がなければ実現しなかったであろう。

プライベートエクイティ:単なる資金以上のもの

Marc Thieryは、自身の基調講演で業界の古いイメージを払拭した。彼は、今日の中堅企業におけるプライベートエクイティは、資本と専門知識の組み合わせが本質であると強調した。「我々は中堅企業の文化を理解している」とティエリーは断言した。

ディスカッションの中で、ドイツの中堅企業が優れた製品を持ちながらも、デジタル化、価格設定、販売管理といったテーマで遅れを取っていることが明らかになった。投資家はここに着目するが、Thieryが強調したように、経営への直接的な介入は行わない。契約上の関与権は通常存在するが、対話に基づく良好なパートナーシップにおいては、事実上ほとんど行使されないものだという。

プロセス:透明性がカギとなる

このようなパートナーシップは、十分な準備に基づくべきだという点で、参加者の意見は一致した。Henning von PoserはM&Aアドバイザーの視点から、企業が早期に市場価値を現実的に評価し、適切な買い手層を特定することの重要性を説明した。

企業が投資家を迎え入れる決断を下した後、最初に求められるのは透明性である、と、Christian Kastenは述べた。多くの中堅企業は、しばしば十分に指標に基づいて経営されていない。したがって、最初の100日間は透明性の確保と構造のプロフェッショナル化に焦点が置かれる。必要なコンピテンシーとキャパシティを整えることが決定的である。ここではデジタル化の専門家が必要であり、さらに今後数年間企業を牽引するマネジメント層の構築・強化も求められる。まずは社内で人材を探し、必要に応じて外部から採用する。目標は、組織を迅速にスケーラブルにし、6~12か月以内に目に見える成果を出すことである。

Henning von Poserは、これまでオーナーやCEOが単独で経営してきた企業が、プライベートエクイティ・パートナーの参入によって対等なカウンターパートを得ることになると指摘した。このパートナーは遠慮なく意見を述べる。それは従来の階層構造ではしばしば欠けていた要素である。このようにして、プライベートエクイティの参入は企業に大きな戦略的推進力を与えることができる。

文化変革とタレントマネジメント:投資家を恐れるな

本セッション全体を通じて、主要な論点の一つは「人」に関するものであった。金融投資家が企業文化を破壊するという懸念について、ゲストは一様に否定した。むしろ、KastenとThieryは、プライベートエクイティはパフォーマンスと価値観の文化を促進する触媒として機能することが多いと報告した。この点は、Geisingerも自身の経験から強調している。

Thieryはこの文脈で、HRがプロフェッショナル化の恩恵を受けることを強調した。中堅企業ではしばしば管理業務にとどまっていたHRが、採用とリテンションのための戦略的パートナーへとほぼ必然的に進化するのである。

Geisingerはこう述べた。「リテンションが最重要となる。ゆえにHRは、単なる採用だけでなく、定着させることができるかどうかを決定づけるキーファクターとなるのだ。」

繰り返し強調された点は、トップタレントは今日、成長と自己実現の機会を求めているということである。Geisingerは、Auxeumグループの成長路線によって、地域限定のローカルな診療所では到底採用できなかった人材を獲得できたことを強調する。Von PoserとKastenはさらに、従業員は持株プログラムによって共同経営者となり、企業とその成功への帰属意識が大幅に高まる、と語った。

結論:対等なパートナーシップ

このセッションは、プライベートエクイティがドイツの中堅企業にとって単なる資金調達手段以上のものであることを明確にした。それはプロフェッショナル化と国際化のための手段である。基盤となるのは、信頼と成果への意欲に基づく「成長パートナーシップ」であり、それがさらなる大きな可能性をもたらすのである。

———————————————————————

キーンバウムのブレイブ・リーダーシップ・セッション

Kienbaumが主催する定期イベント「Brave Leadership」は、価値観に根ざしたリーダーシップに関する洞察を定期的に提供している。さまざまな業界のベストプラクティスや、日々のリーダーシップに役立つ具体的な示唆が得られる。ライブセッションへの登録、参加は無料。
https://www.kienbaum.com/brave-leadership/

———————————————————————

執筆
Kienbaum編集部

オリジナル記事(ドイツ語):
https://www.kienbaum.com/blog/brave-leadership-kapital-trifft-werte/

本記事はキーンバウム・ジャパンのニュースレターNo.6/2025号に掲載されました。 
https://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2025/12/Newsletter_No_6_2025_JP.pdf

掲載記事に関しご質問がございましたら弊社までご連絡下さい。 

購読お申込みは japan@kienbaum.co.jp までご連絡下さい。

———————————————————————

【キーンバウム・コンサルタンツ・インターナショナル】

キーンバウムは1945年にドイツで創業された、欧州発のHR専門コンサルティング会社。世界4大陸・26都市に拠点を持ち、グローバルな人材・組織支援を展開する。「人と組織に未来を」という理念のもと、エグゼクティブサーチ、リーダーシップ&マネジメント・コンサルティング、報酬・人事制度設計、キャリア支援など、HR領域全般にわたる総合的なサービスを提供する。日系企業の欧州進出支援にも注力しており、異文化統合や現地人材の活用に強みがある。国際経験豊富なコンサルタントが、言語・文化の壁を越えた支援を行う。

【キーンバウム・ジャパン】

キーンバウム・ジャパンは、2006年に設立された日本法人で、グローバル人材に特化したエグゼクティブサーチを中心にサービスを展開している。また、報酬制度設計やパフォーマンスマネジメントなど、コンペンセーション領域のコンサルティングも提供し、企業の人材戦略を多面的に支援する。外資系企業やグローバル展開を目指す日本企業を対象に、経営層や専門職の採用支援を実施。異文化理解や海外経験を重視した人材の発掘に強みがあり、欧州・アジア市場への進出支援においても高い専門性と実績に定評がある。リテイナー型のサーチを基本とし、採用後も継続的なパートナーとして企業を支援する。
https://international.kienbaum.com/japan/

(2月18日の同社プレスリリースより転載)