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キーンバウム、企業の価値観をコンピテンスに反映させるには?【第22回キーンバウムPeople Convention】

コンピテンスとスキルを積極的かつ体系的に管理する組織作りーこれは人事部門の中核となる事項である。インタースナック・グループIntersnack Groupの人事担当グループディレクター、Johanna Dickinsonは、Kienbaumのマネージングディレクター兼パートナーであるDr. Dennis Kampschulteと共に、Intersnack社がこの課題にどのように取り組んでいるかについて議論した。

Intersnack Groupは、チップスなどのスナック菓子を製造する国際的な企業である。ドイツでは、funny-frisch、Chio Chips、Ültjeのブランドでよく知られている。Intersnack社は、ヨーロッパと海外の42の拠点で生産し、約14,000人の従業員が従事する。グループは15の管理ユニットに分かれており、各ユニットは独立して組織され、独自の人事チームを持つ。経営はトップダウン方式ではなく、各ユニットの対等なパートナーシップによるコミュニケーションに基づいて行われる。Johanna Dickinsonは、「このような分散型の組織体制は、私たちのDNAに組み込まれている。これは私たちの価値観を反映したものであり、大変誇りに思っている」と述べている。

同時に、この組織形態には課題も存在する。グループ全体の更なる成長を実現するためには、人事プロセスの調和が必要だ。Johanna Dickinsonは、Intersnack社がどのようにコンピテンスとスキルの管理を調和させる取り組みを行っているかについて報告した。

Intersnack社は、部門横断的なコンピテンスの特定、評価、開発においてハイブリッド型アプローチを導入している。まず、全従業員に適用されるコンピテンスが導入された。これらのコンピテンスはIntersnackグループの3つのコアバリューに基づいて具体化された。これは、企業のパーパスを全従業員が日々実践できるようにすることを目的としたものである。このほか、管理職のみに適用される追加のコンピテンスがある。

Dickinsonによれば、以前のグローバルモデルは、組織の全従業員に対して8つの中心的コンピテンスを持つものであった。このモデルは理解されやすかったものの、具体性に欠けるため、管理部門に受け入れられなかったと言う。Dennis Kampschulteは、「特にパーパスを重視する企業にとって、コンピテンスモデルは、自社の価値観を組織内の全員に透明化する強力なツールとなる」と語る。

再構築の過程でIntersnack社は、コンピテンスだけでなく、機能的なスキルについても透明性を高める必要性を認識した。そこで、組織内の特定のファンクション(財務、人事、マーケティング、ITなど)に関連する知識をマッピングした、ファンクショナルスキルクラスタを採用することにした。Dickinsonは、「これにより、今では、グループ全体で同じ言葉を話すことが可能になった」と述べている。クラスタの利点を以下に示す。

・ファンクション内のスキル開発が明確になる。

・求人において、要求される職能に透明性をもたらし、採用を容易にする。

・管理部門の各人に対し、マネジメントに必要な固有の職務スキルを明確にする。

・役職内、および他の役職への個別のキャリア開発を支援する。

これらのクラスタは、人事部門の代表者と各管理部門のスタッフが参加したワークショップで共同開発されたものである。それぞれのファンクションに必要とされるスキルを定めることで、部門内でのオーナーシップが生まれる。このため、このプロセス開発には優れたプロジェクトマネジメントが不可欠であると、Dickinsonは強調する。

コンピテンスとスキルの定義

コンピテンス(Competences):

コンピテンスとは、さまざまな文脈における特定の課題を解決するために、すでに存在する、あるいは学ぶことができる、適用可能で総合的な行動パターンを示す。例:コミュニケーション、協調性、リーダーシップ

スキル(Skills):

スキルとは、特定のタスクや活動を遂行するために必要な機能的、技術的、方法論的な知識を指す。特定のコンピテンシーを獲得するための前提条件となる。例:特定のプログラミング言語の習得、機械の操作、人前で話すこと

講演者

Johanna Dickinson
Group Director Human Resources, Intersnack

Dr. Dennis Kampschulte
Managing Director & Partner, Kienbaum

 

執筆

Lucilla Schönauer

Junior Communication Specialist

講演の全編(英語)はこちらの録画をご覧ください。

https://www.kienbaum.com/de/blog/wie-sich-unternehmenswerte-in-den-kompetenzen-widerspiegeln

オリジナル記事(ドイツ語):
https://www.kienbaum.com/de/blog/wie-sich-unternehmenswerte-in-den-kompetenzen-widerspiegeln

 

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【キーンバウム・コンサルタンツ・インターナショナル】

全世界4大陸に計22の拠点を持つドイツ最大手、ヨーロッパ有数の人事およびマネジメントコンサルティング会社。創業以来75年以上、クライアント企業との信頼関係を基礎に、組織における人材の能力を最大限に引き出すことを目標とする総合的コンサルティングを提供。

【キーンバウム・ジャパン】

キーンバウムのコンサルティング業務のノウハウを活かし、日本におけるエグゼクティブサーチを目的に設立。豊富な海外ビジネス経験を背景に、クライアントのニーズを徹底的に把握し、一貫した信頼関係の中で候補者を絞り込む。雇用契約締結だけでなく長期的な人材コンサルティングのパートナーであり続けることを目標とする。
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