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【キーンバウム】変革は一度限りのプロジェクトではなく、継続的に育てるべき「鍵となる能力」: Brave Leadershipセッション

Kienbaumの「Brave Leadership」シリーズの一環として、2025年6月末にbadenova AGのCEOであるHans-Martin Hellebrandを迎え、ライブセッションが開催された。彼の講演「Transformation unter Strom – Wie Wandel in der Energiewende gelingt(電力の変革 ― エネルギー転換における変革の成功)」と、それに続くDr. Stefanie Plassmeier(キーンバウム・パートナー)によるインタビューで、彼はbadenovaでの変革の経験を、過去の職歴や私生活からの教訓も交えて語った。彼の信条は明快である。未来を形づくるには、揺るぎないリーダーシップ、明確な文化、そして失敗を学びの機会と捉える勇気が必要だ、ということである。

Hellebrandの講演の中心にあるのは、「すべての変革には意味のある目標像が必要である」という考え方だ。badenovaでは、「地域とともに、地域のために、エネルギー転換と熱転換を通じて、暮らしやすい未来を築く」という目標像を社員と共に策定した。

人々が「なぜ変化が必要なのか」を理解して初めて、変革への意欲とエネルギーが生まれる。だからこそ、このプロセスには時間をかけ、真摯な関与を促す必要があると彼は語る。

文化の変革は具体的な行動から生まれる

持続可能性、多様性、敬意といった価値をただ掲げるだけでは不十分である。「文化はポスターの標語ではなく、行動によって生まれる」とHellebrandは強調する。badenovaでは、すべてのリーダーシップルールを具体的な行動に落とし込んでいる。たとえば「重要な課題は48時間以内に話し合う」というルールがそれだ。

こうしたルールは、リーダーが率先して実践しなければ意味を持たない。「リーダーシップは肩書き(Position)ではなく、機能(Function)である」、そしてその機能は、すべての変革と同様に、自分自身から始まるのだ、と、Hillebrandは強調する。

痛みを伴う変化にも向き合う勇気

変革は一度きりのイベントではない。変革はキーコンピテンシーであり、継続的に取り組んでいかければならないものだ、とHillebrandは語る。それには、決断だけでなく、その結果にも向き合う勇気が求められる。badenovaでは、変革に賛同できない、あるいは対応できないスタッフともオープンに向き合う。意志や能力に欠ける場合には別れを伴うが、明確かつ敬意を持って行われている。

勇気を引き出すような具体的な成功事例を「灯台」のように可視化することが重要だ。「小さな一歩を見える形にすることで、動きが生まれ、それに続く者が現れる」とHellebrandは語る。

対話と傾聴が信頼を築く

「コミュニケーション、コミュニケーション、コミュニケーション」――これは彼の信条である。ただし、それは一方的な発信ではなく、対話である。「ListenとSilentは全く同じアルファベットで作られている」と彼は言う。真の傾聴、フィードバック、積極的な関与の3点がが信頼を築く鍵となる。badenovaでは、ポッドキャストやオープンなリーダーシップトークなど、多様なコミュニケーション手段を活用している。

自らの意思決定を見直し、過ちを認め、透明性をもって修正する姿勢は、リーダーシップ文化の一部である。「重要なのは完璧であることではなく、誠実であることだ。」

リジリエンスとエネルギー、両者のバランスを取る

変革は負荷が大きい。だからこそ、リーダーは「地に足をつける」ことが求められる。これはチーム内だけでなく個人としての姿勢にも当てはまる。Hellebrandにとっては、運動、家族との時間、意識的な休息の3点が、自らのエネルギーを保つのに重要だと言う。「『今この瞬間』に集中できない人は、職場でも家庭でも影響力を失う」と彼は語る。

そのためbadenovaでは、必要な集中を確保するために、明確な優先順位付けとOKR(目標と主要な成果指標)(※1)を活用している。これは、必要に応じて意識的に「ノー」と言うことも意味している。

リーダーシップとは姿勢を示すこと

Hellebrandにとって、Brave Leadershipとは、勇気、一貫性、明確さ、そして人間らしさを持って行動することである。変革は終わりのないプロセスだが、リーダーが方向性、文化、協働のあり方に責任を持つことで、積極的に受け入れられるものとなる。

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※1 https://www.kienbaum.com/glossar/okr/ 

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キーンバウムのブレイブ・リーダーシップ・セッション

Kienbaumが主催する定期イベント「Brave Leadership」は、価値観に根ざしたリーダーシップに関する洞察を定期的に提供している。さまざまな業界のベストプラクティスや、日々のリーダーシップに役立つ具体的な示唆が得られる。ライブセッションへの登録、参加は無料。
https://www.kienbaum.com/brave-leadership/

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執筆
Kienbaum編集部
オリジナル記事(ドイツ語):
https://www.kienbaum.com/blog/brave-leadership-transformation-hans-martin-hellebrand/

本記事はキーンバウム・ジャパンのニュースレターNo.4/2025号に掲載されました。
https://international.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2025/08/Newsletter_No_4_2025_JP.pdf

掲載記事に関しご質問がございましたら弊社までご連絡下さい。 
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【キーンバウム・コンサルタンツ・インターナショナル】

キーンバウムは1945年にドイツで創業された、欧州発のHR専門コンサルティング会社。

世界4大陸・26都市に拠点を持ち、グローバルな人材・組織支援を展開する。「人と組織に未来を」という理念のもと、エグゼクティブ・サーチ、リーダーシップ&マネジメント・コンサルティング、報酬・人事制度設計、キャリア支援など、HR領域全般にわたる総合的なサービスを提供する。日系企業の欧州進出支援にも注力しており、異文化統合や現地人材の活用に強みがある。国際経験豊富なコンサルタントが、言語・文化の壁を越えた支援を行う。

【キーンバウム・ジャパン】

キーンバウム・ジャパンは、2006年に設立された日本法人で、グローバル人材に特化したエグゼクティブ・サーチを中心にサービスを展開している。また、報酬制度設計やパフォーマンスマネジメントなど、コンペンセーション領域のコンサルティングも提供し、企業の人材戦略を多面的に支援する。外資系企業やグローバル展開を目指す日本企業を対象に、経営層や専門職の採用支援を実施。異文化理解や海外経験を重視した人材の発掘に強みがあり、欧州・アジア市場への進出支援においても高い専門性と実績に定評がある。リテイナー型のサーチを基本とし、採用後も継続的なパートナーとして企業を支援する。https://international.kienbaum.com/japan/

(11月5日の同社プレスリリースより転載)