キーンバウム、HRは依然として人員集約的 ― 生産性が規模拡大の鍵に
経済的に厳しい状況下で、HRコストはどのように推移するのか?最大のコスト要因はどこにあり、生産性、テクノロジー、組織はどのような役割を果たすのか?これらの問いに対する答えは、ドイツ人事管理協会(Deutsche Gesellschaft für Personalführung e. V.:DGFP)と人事・マネジメントコンサルティング会社キーンバウム(Kienbaum)が共同で発表した「2025年HRコスト調査」が明らかにしている。本調査結果は、人事部門における最新の支出パターンと効率化の可能性について、貴重な洞察を提供している。
本調査の目的は、ドイツ企業におけるHR機能のコスト構造と推移の概要を示すことである。調査結果は、約200の参加組織からの回答に基づいており、主に2024年および2025年の状況、ならびに2026年の計画に関する見通しを対象としている。
主な調査結果の概要
HRコストは安定を維持
企業全体のコストに占めるHRコストの割合は、継続的なコスト圧力があるにもかかわらず、おおむね横ばいで推移している。トランスフォーメーションによるコスト抑制効果は、現時点ではほとんど確認されていない。
HRは引き続き人員集約的な機能
HRコストの大部分は、依然として人件費(総人件費)によって占められている。生産性は、構造的な効率化の手段というよりは、主として追加的な人員によって確保されている。
トランスフォーメーションは業務プロセスを変えるが、必ずしもコストを削減するものではない
プロセス最適化、集約化、テクノロジー導入は業務の進め方を改善するものの、HRコストの顕著な削減につながることは稀である。
日常的なHR業務がコストの中核を占める
日常的なHR業務が、最大のコストブロックとなっている。一方、ワークフォース・プランニングや組織開発といった設計的・戦略的テーマへの投資規模は、比較的限定的である。
HR-ITは運用を支えるが、AIは十分に活用されていない
HRテクノロジーへの投資は、主としてトランザクション型の基幹プロセスに集中している。生産性向上に向けたAI活用のポテンシャルは、現時点では部分的にしか引き出されていない。
2026年の見通し:効率化は期待されるが、コストへの影響は依然不透明
多くの企業が、HRコストの横ばいまたは増加を見込んでいる。効率化は主にプロセス、HRテクノロジー、自動化によって実現されると期待されているが、人員削減については明確に言及されていない。
効率化の余地
HR部門には、従業員の能力開発や定着に必要な投資を損なうことなく、効率性を高める大きな余地がある。
分析結果と提言
本調査結果を踏まえ、DGFPとキーンバウムは具体的な行動提言を提示している。これらは、HRコストの管理と可視化、プロセスの合理化によるリソースの解放、さらにはHRテクノロジーを活用した自動化の推進を目的としている。
DGFPの会員・提携担当責任者であるKai H. Helfritzは次のように述べている。「本調査は、現在、HR部門が特に追加リソースによって規模を拡大していることを明らかにしている。それでもなお、HR-IT、AI、その他の自動化への投資は、効率性と品質の向上につながるため、十分に意義がある。」
これに対し、キーンバウムのマネージング・ディレクター兼パートナーであるProf. Dr. Walter Jochmannは、次のように強調する。「代替を伴わないトランスフォーメーションがコスト削減につながることは稀である。生産性向上は測定可能でなければならず、かつコスト構造にも反映されなければならない。そうでなければ、その効果は限定的なものにとどまる。」
展望:コストマネジメントは戦略的な人事課題となる
キーンバウムのHR&組織トランスフォーメーション担当ディレクターであるJulian Siméeは、次のように補足する。「特にデジタル化やAIを背景に、価値貢献度に基づく明確な優先順位付けが不可欠だ。HRは、どの業務が戦略的に不可欠であるかを見極めると同時に、どこで標準化と自動化を徹底的に活用すべきかを判断しなければならない。」
2025年HRコスト調査の無料ダウンロードはこちらから:
https://www.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2026/02/2025-HR-Kostenstudie-Kienbaum-DGFP.pdf
DGFPについて
ドイツ人事管理協会(DGFP)は、1952年の設立以来、人事プロフェッショナルのための専門知識とキャリア形成のネットワークとして活動し、そのネットワークには、DAX上場企業から中小企業、著名な学術機関やコンサルティング会社、そして人事管理分野の有識者らが参加している。当協会は、会員やパートナーと共に、政界や社会に対して人事管理の代弁者としての役割を果たす。ドイツ全土に約100ある経験共有グループや、多様な形式のイベントを通じて、人事担当者同士が直接経験を共有することが、当協会の活動の中心である。詳細はwww.dgfp.de 参照。
執筆
Kienbaum編集部
オリジナル記事(ドイツ語):
https://www.kienbaum.com/presse/pressemitteilung-hr-kosten-2025/
本記事はキーンバウム・ジャパンのニュースレターNo.2/2026号に掲載されました。
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【キーンバウム・コンサルタンツ・インターナショナル】
キーンバウムは1945年にドイツで創業された、欧州発のHR専門コンサルティング会社です。世界4大陸・26都市に拠点を持ち、グローバルな人材・組織支援を展開しています。「人と組織に未来を」という理念のもと、エグゼクティブ・サーチ、リーダーシップ&マネジメント・コンサルティング、報酬・人事制度設計、キャリア支援など、HR領域全般にわたる総合的なサービスを提供。日系企業の欧州進出支援にも注力しており、異文化統合や現地人材の活用に強みを持っています。国際経験豊富なコンサルタントが、言語・文化の壁を越え、キーンバウムの高品質なサポートを提供いたします。
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https://international.kienbaum.com/japan/
(6月24日の同社プレスリリースより転載)



