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キーンバウム ジャパン、2024年のHRトレンド – 人事とHRマネジメントにおける10のテーゼ

今年もHR・ピープルマネジメントのトレンドについての展望をお届けしたい。ハイプの後には何が来るのか?現在のビジネス展開と労働市場のダイナミクスから、次のことが予測される。すなわち、2024年のHRは決して容易な道ではない、ということである。ピープルマネジメントのための10のテーゼを作成した。

すでに数多くの大企業がコスト削減の必要性を表明している。2024年には、統廃合が行われる企業の割合が増え、リストラへの圧力が高まるだろう。当然、経費と人員の削減が議題に上ることになる。AIはプロセスの最適化と合理化に役立つはずだ。しかし、AIの開発と導入には、技術的な専門知識だけでなく、こうした変化に対応できるような従業員の備えも早急に必要となる。

加えて、企業は気候変動への対応や規制への備え、また、サステナビリティの観念をビジネスの中心的要素として取り込まねばならない、といったさらなる課題に直面している。同時に、人事業務に多大な影響を及ぼしているのが、労働市場の動向である。慢性的な労働力不足、労働コストの上昇、労働市場統合の必要性、ドイツの教育および経済の地位の戦略的な位置づけは、企業の発展を阻む深刻なHRリスクである。これを管理する必要性は明確である。

HRは先行者か、後発者か?

以下では、2024年の人事・人材マネジメントについて、人事担当者が念頭に置くべき10のテーゼを提示する。さらに、最も緊急性の高い分野に焦点を当て、対応時間に余裕のあるものや、まずは調査から始める必要のあるHRトレンドと区別するのに役立つクラスタリングも提供したい。この「トレンド・マップ(※1)」は、今後数週間から数ヶ月のHR部門のアジェンダ作成と鮮明化において、方向性を示すのに役立つものだ。

Act now:今すぐ行動を

1. 人事部門のスリム化:HRコストの長年にわたる上昇から生じる全社的な合理化の圧力を背景に、プロセスとリソースのスリム化が人事部門の新たな優先事項となる。

2. 新しいフレックスワーク:パンデミック期における完全リモートワークを経て、現在重視されるのは、対面とリモートワークのバランスを積極的に管理し、従業員のパフォーマンス、結束力、帰属意識を強化することである。

Create:形作る

3. 未来のワークフォースのデザイン:AIの活用により、人口動態の変化の影響を緩和することができる。ただし、AIのメリットを享受するためには、関連する能力とスキルの効果的な構築も必須となる。

4. HR機能のデジタル化: HR機能はデジタル化にできるだけ早く追いつかなければならない。デジタル専門家を配置し、トランザクション的な業務活動を大幅に削減することが急務である。

5. AIによるソーシング: AIの応用により、「アクティブ・ソーシング」、すなわちダイレクトサーチは従来のピンポイントな焦点から全従業員、全職務機能を対象とするものにスケールアップする。候補者の割り出しや採用決定の過程の最適化により、その質も改善される。

Develop:開発する

6. AI能力のアップスキリング、リスキリング: 社外の労働市場における採用のボトルネックを補うために、従業員のAIスキル向上を目的とした内部イニシアティブが増えている。

7. 社内人材開発プラットフォーム: 社内学習のシステムは人材開発プラットフォームとして活用され、優秀な人材の可視性、流動性、自己評価の機会を創出する。

8. 従業員体験(EX): DEIBに重点を置き、デジタルとアナログのタッチポイントをバランスよく組み合わせたコラボレーションを実現することで、総合的な従業員体験管理を通じて従業員の定着と満足を促進する。

Discover:発見する

9. グローバルプレイヤーとしての魅力の向上: 企業は国際企業としての魅力を強化する必要がある。国境を越えたコラボレーション、住居や言語習得の機会の提供や、ダイバーシティやインクルージョンの促進が、これを実現するための重要な条件となる。

10. ESGへの影響 : ESG基準に関する要件を満たし、その有効性を企業内で強化するためには、HR機能がESGの「S」に全責任を負い、戦略、リスク予防、対策、レポーティングを積極的に推進する必要がある。

結論と2024年の展望

2024年は、人事部門がその宣伝文句にたがわず、現在および将来の課題に対し、企業をサポートできる「ヒト」のデザイナーとしての役割を果たせるかどうかが決まる年である。

そのためには、トレンドを見極める目利きに加え、明確な人材・人事戦略、そして効果的なツールや構造が必要となる。これからも人事のトレンドを注意深く観察し、2024年ピープルマネジメントの変革へ向けた可能な方向性を特定し、議論していきたい。

今年のキーンバウム・ピープル・コンベンションでも、人事・人材マネジメントの最新動向とトレンドが焦点となる。このデジタルで無料のイベントは2024年6月13日に開催される。登録はこちらから。
https://www.kienbaum.com/de/people-convention/

※1 ニュースレター内の図をご参照ください。
https://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2024/03/Newsletter_No_1_2024_JP.cleaned.pdf 

 

執筆

Dr. Andrea Barth
Senior Consultant | HR & Organisation Transformation

Lukas M. Fastenroth
Senior Consultant & Akademischer Leiter Consulting, Kienbaum Institut

Prof. Dr. Walter Jochmann
Managing Director | HR & Organisation Transformation

Frank Stein
Manager | HR & Organisation Transformation

オリジナル記事(ドイツ語):
https://www.kienbaum.com/de/blog/hr-trends-2024-10-thesen-fuer-das-people-und-hr-management/

 

キーンバウム、日系企業グループニュースレターは下記よりご覧いただけます。
https://media.kienbaum.com/wp-content/uploads/sites/13/2024/03/Newsletter_No_1_2024_JP.cleaned.pdf

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【キーンバウム・コンサルタンツ・インターナショナル】

全世界4大陸に計22の拠点を持つドイツ最大手、ヨーロッパ有数の人事およびマネジメントコンサルティング会社。創業以来75年以上、クライアント企業との信頼関係を基礎に、組織における人材の能力を最大限に引き出すことを目標とする総合的コンサルティングを提供。

【キーンバウム・ジャパン】

キーンバウムのコンサルティング業務のノウハウを活かし、日本におけるエグゼクティブサーチを目的に設立。豊富な海外ビジネス経験を背景に、クライアントのニーズを徹底的に把握し、一貫した信頼関係の中で候補者を絞り込む。雇用契約締結だけでなく長期的な人材コンサルティングのパートナーであり続けることを目標とする。
https://international.kienbaum.com/japan/

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