経営者JP、2022年に異業種転職を経験した人は62.5% 経営幹部・ミドル層が異業種転職を成功させる5つのポイントを公開!
経営層・幹部層に特化した人材コンサルティングを提供する株式会社 経営者JP(東京都渋谷区、代表取締役社長・CEO 井上和幸)は、経営幹部・ミドル層における異業種転職の実態と成功させるために気を付けるべき5つのポイントについて、代表の井上和幸が解説します。
主なトピックス
- 業界が変わっても、現職と同じ営業先・販売先、顧客としての実感、感覚を持てる企業を選ぶ
- 今まで経験してきた「取扱額・単価」と「納期・スピード感」が近しいかどうか
- 異業種転職だからこそ、これまでの人脈を生かす!
実例から明らかになった、異業種転職で成功するための5つのポイント
異業種への転職が増えています。Sansan株式会社が提供するキャリアプロフィール「Eight」は、10万人のユーザーを対象にキャリアの変遷について集計・分析した結果、2022年に異業種へ転職した人は62.5%、前年に比べて0.5%上昇しています。
当社でもこれまで多くの異業種転職を支援してきました。その中で、転職者のみなさんがどのような経験や感覚、あるいは自身の有形・無形の資産をお持ちだと異業種転職で成功できるのか。転職先企業や業界と、どのような接合点を持っていると異業種でもうまくいくのかについて、実例を積み重ねてきています。
分析の結果明らかになった、異業種に転職する際にチェックすべき5つのポイントについて解説します。
1)現職と同じ営業先・販売先か
営業職やマーケティング職、商品企画職などの求人で、採用企業が求める人材像として「量販店・ドラッグストア向けの営業経験をお持ちのかた」「CVS(コンビニエンスストア)向けの商品企画ご経験をお持ちのかた」「通販型ビジネスでのマーケティングご経験をお持ちのかた」といったような要件を目にすることがあるのではないでしょうか。
こうした求人でも、もし転職前と後で営業チャネルが同じであればスムーズにキャッチアップでき、前職までの経験で成果を出しやすい面があります。例えば、もともと食品を扱っていた方が、転職後に生活雑貨や日用品を取り扱うようになっても、営業チャネルさえ同じであれば、会社が変わっても業務フローはさほど変わらないでしょうし、業績を上げるための「勝負所」についても基本的に同じです。
クラウド経由でソフトを提供するSaaS系や、様々な技術やアイデアと自社事業を掛け合わせるX-Techスタートアップでは、レガシーなIT企業も交えて、中小企業向け経験者、エンタープライズ経験者、それぞれでの異業種間人材の争奪戦となっています。
2)顧客としての実感、感覚を持てるか
商品やサービス力のアップ、さらには事業強化のために、顧客の立場に立てることは非常に重要となっています。無理なく「顧客の肌感」を持って業務に当たれることは、あなたの新天地着任後の業務においての提案力を後押ししてくれるでしょう。
こうした観点について、転職時にチェックしている人、あるいは採用企業側でも転職希望者との間で確認・すり合わせをしている人は、思ったよりも少ない印象なのですが、いかがでしょう?
見落としがちですが、転職者が転職先企業に適応できるか否か、その後、成果を出せるか否かの鍵を握っていると感じています。
3)取扱額・単価
どのような売り上げ規模(自社、事業、個人の予算)と単価のビジネスに従事してきたか。ここが大きく異なる異業種転職は、第二新卒のポテンシャル採用以外は、なかなか厳しい結果になるでしょう。特に30代後半以降のミドル層、あるいはシニア層になりますと、それまでの経験で自身に染み付いたビジネス上の金額の規模感や相場観はなかなか変えられません。
1円単位のモノを扱うビジネスと、数万円単位のモノを扱うビジネス、数百万円単位のモノを扱うビジネス、数千万〜億単位のモノを扱うビジネスとでは、その営業スタイルから商品・サービス取り扱いにまつわる業務オペレーションまで、あらゆる面で異なります。
結果として、どのような職種であれ、単価の差、取扱個数の差によって、企業におけるビジネススタイル感覚が大きく異なります。これまで円単位のモノを数万・数十万取り扱うビジネスをしていた人のロジックは、億単位の案件を数件扱うビジネスには通用しませんし、逆もまたしかりです。
4)納期・スピード感
3)と同様に、仕事のサイクルやスピード感が、転職先企業と類似の事業の会社にいたことがある経験は非常に重要です。取扱単価・金額ボリュームとも相関しますが、円単位のものを数万〜数十万単位で日配するのか、億単位の案件を数年越しで取り扱うのかでは、日々の仕事のサイクル、スピード感がまるで別世界です。
今まで経験してきたビジネスのサイクルが、日次か、週次か、月次か、年度か、あるいは数年越しか。これまで何気なく過ごして来られたと思いますが、転職活動においてぜひ改めて確認してください。そして、この観点で、転職検討先企業のサイクルはどれに該当するのか。自分の経験サイクルと近しいのか、異なるのか、しっかりチェックしましょう。
5)これまでの人脈を生かす
異業種にいくからこそ、今までの人脈が生きます。これは、ここまでの4つとは、少し趣が異なります。異業種転職に効く人脈とは、行き先の同業種人脈(それもあったに越したことはありませんが)ではなく、現職を含む、転職先企業にとっての「異業種」人脈です。
キャリアを経るにつれ、あなたを底上げしていってくれるのは、幅広いネットワーク、バラエティーに富んだ人脈の厚みです。人脈のダイバーシティ(多様性)が、思わぬところであなたを助けてくれるのです。
転職にあたってやらなければならないことは、いまの会社での人脈を大切にすることです。関係性をこじらせて辞めてしまう人もいらっしゃいますが、絶対に損です。現職、あるいはこれまでの会社・職場での人間関係は、異業種に移籍するあなたの今後においては、何かのときにあなたを助ける貴重な人脈資産なのです。この観点をぜひ認識の上、立つ鳥跡を濁さず、退職を進めてください。
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異業種チャレンジは、自身の可能性を広げるチャンスとしても、非常に良い選択となりえます。ただし、それは異業種でも活躍できる前提となる経験要素を持っていてこそ。採用する企業側も、当然こうした部分のマッチ度を確認するでしょう。
異業種転職成功のためにも、ぜひしっかり5つのポイントを棚卸し・確認いただき、1つでも多くのポイントに接合しうる転職候補企業を吟味の上で選考に臨んでください。
当社については、対象としている「経営層・幹部層における採用・転職のベストマッチングの実現」の1点を引き続き極め、独自ノウハウとテクノロジーを活かして「経営幹部市場の非対称性」を解消していく所存です。
具体的には、経営候補者、管理職候補者についてのアセスメントを強化し(「経営人材度診断」)、経営幹部候補者の育成(個人・法人)・選抜(外部採用、内部昇格)、マネジメントチーム強化についての総合的なソリューション開発と提供に力を入れてまいります。そのための新サービスのリリースも予定しておりますのでお楽しみにしてください。
一方で、経験とお力がありながら年齢が壁となり望ましい就労機会を得にくい50代・60代の経営幹部人材について、次の時代に向けての就労機会創出にも取り組んでいきたいと考えています。
株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸 プロフィール
早稲田大学政治経済学部卒業後、株式会社リクルート入社。2000年に人材コンサルティング会社に転職、取締役就任。2004年より現・リクルートエグゼクティブエージェントに転職、マネージングディレクターに就任。2010年2月に株式会社 経営者JPを設立、代表取締役社長・CEOに就任。2万名超の経営人材と対面してきた経験から、経営人材の採用・転職支援などを提供している。業界MVPを多数受賞。2021年リリース、マネジメント各位の“経営者力”を測る「経営者力診断」の開発責任者。
著書に『ずるいマネジメント』、『30代最後の転職を成功させる方法』他。「日本経済新聞」「プレジデント」「WBS」他メディア出演多数。
■株式会社 経営者JPについて
弊社は、明日の日本を担う志高き経営者・リーダーを育成・輩出するための「集い、学び、執行する最高の場」を提供すべく4事業を展開しております。
・エグゼクティブサーチ事業(経営層特化の人材紹介)
・コンサルティング事業(組織・人材・経営コンサルティング、講師・顧問派遣、EQサービス)
・セミナー事業(経営者・リーダー対象セミナーの主催)
・会員事業(志高きリーダーの会員組織の主催運営、コンテンツ提供・物販)
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