フジコーポレーション
加藤 広嗣 代表取締役
PJチームや部署のリーダーを任されたとき、「よし、やるぞ!」という思いと同時に「でも、どうやって…」と戸惑いを感じる方が多いと思います。
チームや部署の方向性の策定、解決すべき本質的問題の発見、メンバーの力を最大限発揮させることによるチーム力の向上等、考えなければいけないことが山のようにあります。どれも重要ですが、私の実務経験上、3番目に挙げた「メンバーの活かし方」に難しさを感じるリーダーが多いようです。
リーダーに就任した方が陥りやすい状況は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、自身の成功体験から獲得した知識ややり方をメンバーに押し付けてしまうこと。これは、優秀な実務担当者、プレーヤーとして成果を出した人がリーダーや部署の管理職に任命された場合によく起きます。
その知識ややり方がメンバーに受け入れられてうまく回っているうちはよいのですが、自分なら簡単にできてしまうことをメンバーができないことが続くとイライラし始めます。メンバーへの言動が刺々しくなり、並行してチームの士気や業績は低迷を始めます。
このとき初めて、メンバーの力を引き出してチーム目標を実現していくプロセスの重要性に気付くリーダーが多いです。
2つ目は、リーダーに求められる仕事や立場を自分の中で咀嚼できていないこと。これは、自分は実務担当者として仕事を積み重ねていく方が向いていると思っていた人が、リーダーに任命された場合によく起きます。
本書では、興味や反応、行動様式から人を4つの「脳タイプ」に分類し、それぞれのタイプのメンバー個々の特性を活かしてチーム全体の目標を実現するプロセスを紹介しています。実際に研修で実施したロールプレーや演習ツールもそのまま掲載しています。
メンバーの特性を理解し、それぞれが得意とする方法で力を発揮できるようにコーディネートする方法を模索している方に読んでいただきたい一冊です。
加藤広嗣 著
幻冬舎メディアコンサルティング、800円+税
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