【著者が語る】感じがいいと思われる敬語の話し方

川道 映里 マナーコンサルタント 徳島文理大学短期大学部 講師

私は、ヒロコマナーグループ代表の西出ひろ子先生に師事し、全国の自治体や企業、学校で、ビジネスマナーをはじめとする敬語や話し方についての研修や講演を行ってきました。

そして現在は、徳島文理大学短期大学部の講師として「コミュニケーション論」や「社会生活とマナー」などの授業を展開しています。

大きな変革の時代を迎える中、言葉も大きく変わろうとしています。新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方もテレワークが浸透し、相手の表情や態度、その場の雰囲気を直接感じることが難しくなりました。

また、何気なく口から出た言葉が拡散され、時には炎上を引き起こすこともあります。

その反対に、相手からの言葉に励まされることもあれば、たった一言のおかげで人生が好転することもあります。つまり、自分が発する言葉に対して、責任と役割が重くのしかかっていると言っても過言ではありません。

そこで本書は、どのようなシチュエーションでもスマートに、楽に、簡単に対応できるよう実際のビジネスシーンを中心とした、さまざまなフレーズを掲載しています。

私が本書を執筆するにあたり、最も大切にしたのは「相手への思いやりの心」と「敬いの気持ち」を言葉に込める、ということです。

「敬語」は堅苦しいものではありませんし、絶対にこのように言わなければならないルールはありません。

ですから、同じことを伝える場面でも、相手との関係性や状況に応じて表現を変え、伝わる言葉を選ぶ工夫をしていく。これが本書のゴールです。

今後、時代とともに言葉の意味合いや使い方が変化しても、「相手への思いやりの心=相手の立場にたつ=マナー」は変わらないでしょう。

相手に対する敬いの気持ちを込めた「敬語」を通じて、人間関係を円滑にしたいと願う皆様に、ぜひ本書を手に取っていただけると大変うれしく思います。

西出ひろ子 監修、川道映里 著
ナツメ社、1,100円+税

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