タレントバズ
小野 太誠 取締役 COO
新型コロナやウクライナ情勢、さらには円安などで今まで以上に効率化やコスト削減が求められています。コスト削減や効率化を担う部隊として、まず挙げられるのは購買・調達です。
一般的に購買・調達は、売上や戦略に直接関わる購買品を直接材、それ以外の経費購買品を間接材と呼びます。ここ5~10年で求人数が年々増加傾向にあり、様々な企業で組織の立ち上げが行われている職種が「間接購買・調達」です。外資系を中心に最近は日系でも数多くの企業で間接材の人材募集を見るようになりました。
購買職はサプライチェーンの領域の1つとして位置付けられることが多いですが、その中でも圧倒的な求人数を誇るのが間接購買・調達職です。間接材は直接材に比べ、部門毎にばらばらに購買活動を行っている企業が多く、コストや購買に関連した業務の実態が可視化されにくいといった側面があります。特に日系においては未だ具体的な策がなされていない企業が多いことから、大きなコスト削減や改善の余地があると期待されています。
日本CFO協会によると、現状の調達担当者のスキルは企業側で求められるスキルと大きなギャップがあると考察しています。事実、採用現場でも調達改革に取り組む企業でスキルギャップが原因による採用ミスマッチが発生したことを今まで目にしてきました。
具体的に求められるスキルとして、調達戦略の立案・実行力、発注実績や原価データの分析スキル、ステークホルダーを巻き込むリーダーシップや統率力が求められます。現状、定型的な処理業務中心の購買担当者がマーケットには多く、そこがスキルギャップの要因となっています。
このマーケット下で採用を成功するためには、大前提としてスキルギャップを見抜くためのスクリーニング力を企業が極めることです。そのためには、専門分野に特化したエージェントとの協力が不可欠です。長期的な視点として、調達人材のスキル向上のための環境作りや経営陣の間接費に対するコスト意識の向上が求められるでしょう。