JELLYFISH
テイ・イヴィ
経済産業省によると、2030年に日本のIT人材が最大約79万人不足することが試算されます。少子高齢化の影響による労働人口減少と市場のニーズの増加が原因で、各産業において、エンジニア人材はパンデミック下でも6倍の求人倍率を維持しています。
そして、近年加速しているDX化、非対面化に伴ってエンジニア人材の需要が高まる一方、日本ではエンジニア不足の課題が年々深刻化しています。そのため、最新技術が常にスピードアップし進化している市場環境の中、優秀なエンジニアを採用できるかが企業競争の鍵になっていきます。
現状エンジニア職の募集では、待ちの手法だけでの採用は非常に難易度が高いと言えます。多くの企業が現在実感している「自社がほしい人材に、どうアプローチすれば来てもらえるのか」という課題に向き合い、本書ではエンジニア採用戦略と、企業に合ったエンジニアとマッチングするための施策、エンジニアの採用担当として身につけるべき知識などをまとめています。
採用の難しさは、常に変化している人間を相手にしていることです。また、私たちの生きる時代も常に変化の激しい環境にあります。そのような中で、現状に甘んじることなく、常に採用マーケットの情報や新しい採用手法・ツール等を学んでいくことこそが、時代に取り残されない鍵です。
しかしながら、日本で成長企業を生み出すためには、「採用」というプロセスまでに留まるだけでは足りません。大事なのはイノベーションを起こせる組織を作ることです。優秀なエンジニアを採用することはもちろん、それだけでは足りず、国籍、年齢、性別や宗教など関係なく多様なバックグラウンドを持つ人から成る組織を作ることが重要になってきます。
イノベーションの原動力であるダイバーシティ&インクルージョンの組織を構築することがトレンドとなる現代において、時代遅れではない組織文化の構築も今以上に重要な課題になるのではないでしょうか。
本書が皆さんのお役に立つよう願いながら、組織文化についてさらに考えるきっかけになればと思います。
新城優、阪本早弥奈、石原将、稲川幸宏、JELLYFISH 著
ゴマブックス
1,200円+税