法改正の経緯
「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案」(令和3年法律第58号)の成立により「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下「育児・介護休業法」といい、今回の改正法を「改正育児・介護休業法」、改正前の現行法を「改正前育児・介護休業法」といいます。)及び「雇用保険法」(今回の改正法を「改正雇用保険法」といいます。)が改正され、令和3年6月9日に公布されました。
今般の改正の趣旨は、出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて男女ともに仕事と育児等を両立できるようにするため、子の出生直後の時期における柔軟な育児休業の枠組みの創設、育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け、育児休業給付に関する所要の規定の整備等の措置を講ずる点にあります。
人事担当者におかれては、今般の各改正項目の施行期日までに、現行法との変更点を整理し、施行後の対応に不足が生じないようにしておく必要があるものと考えます。そこで、以下、改正項目の主な点について整理し、実務上のポイントについて考えてみます。