日本リレーショナルリーダーシップ協会
林 英利 代表理事
【PROFILE】プロコーチ。Biz Mentor代表メンター・エグゼクティブコーチ。銀座コーチングスクール顧問。 1972年、東京生まれ。大和ハウス工業、トヨタ自動車などを経て、2010年にプロコーチ、研修講師として独立。大手企業の経営者や管理職などを対象に、コーチングサポートやリーダーシップ研修を提供。2015年、年間3000名が受講する、銀座コーチングスクールの代表に就任し、コーチング講座の開発のほか、プロコーチや講師の育成に尽力。2019年に「“一緒に働きたい”と言われるリーダーづくり」をミッションに掲げ、一般社団法人日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立。現在は、厳選されたビジネスメンター(Biz Mentor)と共に、管理職・ビジネスリーダー向けのメンタリングやコーチングサポートを提供するほか、1on1の定着支援プログラム「1on1実践トレーニング」を、組織改革を目指す企業などに提供している。
この数年、新型コロナウイルス等の影響により、在宅勤務が増えて同僚や上司に話をじっくりと聞いてもらう機会が減った人は多いことでしょう。そのような中、悩み事を誰にも相談できずに一人で悶々としているビジネスパーソンが増えています。
この状態が長く続けば、メンタル面の心配が生じるほか、仕事で高いパフォーマンスを発揮してもらうことは期待できません。では、この問題をどのように解決したら良いのでしょうか。
1つ目は、上司と部下のコミュニケーションの機会を増やすことです。「1on1ミーティング」を定期的に実施する企業も増えていますが、1on1本来の効果を得るためには、それなりのトレーニングが必要です。また、上司の負荷も考慮し、時間をかけて定着させる必要があります。
2つ目は、社員の「自己解決能力」を高めることです。一人で悶々と悩み続けるのではなく、自分自身で問題や課題を解決する能力を高めるのです。しかし、自己解決能力のスキルは多岐にわたることから、「何をどこから始めたら良いのか分からない」と悩む人材育成担当者は少なくありません。
そこで、私がおすすめしたいのは「セルフコーチング」です。コーチングとは、対象者の成長や問題解決をサポートするコーチが質問を投げかけ、気づきを引き出し自発的行動を促すスキルですが、セルフコーチングでは、気づきを引き出す質問と回答を一人で行います。
自己流のセルフコーチングではその効果は限定的ですが、コツやポイントをおさえることで、自分にとっての理想的な方向性を見出せるほか、解決に向けての前向きな“一歩”を踏み出すことができるようになります。
本書では、自己肯定感を高める、問題解決に強くなる、人間関係をよくするなど、11のシーン・テーマで活用できる117の質問例を提示し、「自分自身が最高の相談者」になるための方法を解説しています。
多くの方から「読みやすかった」「すぐに使えそうだ」との声をいただいています。本書により、社員の自己解決能力や自走力が高まり、組織の活性化につながれば幸いです。
林英利 著
三笠書房
1,400円+税