【飲食分野の中途採用】年間20万人以上が転職する極めて流動性が高い市場で人手不足が深刻

日本人材ニュース

クックビズ
藪ノ 賢次 代表取締役社長

【PROFILE】2004年大阪府立大学工学部卒業。2007年クックビズ設立、代表取締役就任。2022年きゅういち、代表取締役社長就任。2023年ワールドインワーカー代表取締役社長就任。

インバウンド(訪日外国人)消費の高まりに伴って外食需要が堅調に推移しているため、飲食企業からの求人依頼数は日々増加しています。従事者数100万人のうち、年間20万人以上が転職する極めて流動性が高い市場で、人材の安定確保に課題が山積の状態です。

また、飲食店の人手不足割合が2023年は全業種全期間で初めて80%を超え、人手不足が深刻化しています。

採用ニーズとしては、20代や30代の若手はもちろん、経験者やスキルを備えた人材はやはり人気で、企業間での取り合いが激化しています。

採用ニーズが高まっている一方で、求職者はコロナ禍の営業規制や休業により飲食業界を離れてしまった人材が少なくありません。コロナ前にはアルバイト等も含め約430万人が飲食業界に従事していましたが、コロナ禍で大きく減少し、現在はやっと約390万人まで戻ってきた状況です。

このような状況下で採用を成功させるためには、世代に囚われることなく、ミドルシニアやシニア層と呼ばれる世代にも目を向け、採用する人材の年代幅を広げることが重要です。

加えて、働きやすい労働環境や社内制度の整備が必須課題です。働き方の選択ができる企業が人気傾向のため、時短勤務や週休3日、育休制度など、ライフステージに併せて多様な働き方ができる体制づくりが必要です。

入社前の選考プロセスでは職場見学を可能にし、求職者が安心して働けるイメージを持てるようにすることも有効です。

採用難を理由に賃上げに踏み切る企業も増加していますが、定着する環境や風土づくりに取り組むことが、今いる人材を離すことなく満足度を上げることにつながり、結果として新たに欲しい人材を採用できるという良い循環につながるのではないでしょうか。

また、日々の業務に追われ採用にリソースを割けない飲食店の場合は、採用業務を一手に担うパッケージ型の人材サービスを提供している企業もあるため、外部委託するというのも一つの手かもしれません。

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