【著者が語る】ハードクレームから従業員・組織を守る本

キューブルーツ
津田 卓也 代表取締役

キューブルーツ
津田 卓也 代表取締役

【PROFILE】俳優の経歴を活かし、研修もエンターテイメントと考えることで、魅せ、笑わせ、聴かせ、意識改革に繋がる研修を行う。クレーム対応研修には定評があり、著書『どんなクレームもゼッタイ解決できる本』は、現在の多様化したクレーム解決のバイブルとして、CS向上を目指す多くの方々に愛読されている。

私は「クレーム対応研修」「カスハラ対策」の研修講師として約20年、日本全国で研修を実施してきました。そういった研修を通じて、たくさんの従業員の現場の声をお聞きしてきたわけですが、その悩みの多くはハードクレームの対応でした。

ハードクレームは個人の対応スキルだけでは対応ができません。なぜなら、正論がまったく通じない悪質なクレーマーがいたりするからです。

ハードクレームは組織として対応しなければいけないのですが、そういったクレームが年々増加しているにも関わらず、組織対応についてはどこもなかなか手をつけませんでした。その結果、カスハラの犠牲者が増えていったのです。

2022年、ついに厚生労働省が、「カスタマーハラスメント対策マニュアル」をホームページに掲載。企業に対して、「カスタマーハラスメント対策を取りましょう」と発表しました。  しかし、それでもカスハラ対策は遅々として進みません。一部の企業は「カスハラ対策」をメディアで発表しましたが、その多くは大企業であり、中小企業のほとんどは依然として対策を取っていないというのが現状です。

対策が進まない理由はさまざまですが、そのひとつが「カスハラの定義がわからない」といったことがあるでしょう。そういった悩みに応えたいという思いから、今回の本を執筆しました。

執筆する際に意識したのは、「具体的である」「現場ですぐ使える」「わかりやすい」ことです。カスハラの定義もわかりやすく書いています。また、ハードクレーム対応時の「切り返しフレーズ」や、使い勝手のよい「お礼の言葉」、「謝罪の言葉」なども載せています。カスハラマニュアルを作成する際の参考にしていただければと思います。

私はクレーム対応研修の講師としてさまざまな組織の実情をみてきましたが、現場と組織が協同で対策に取り組んだところは必ず数年後に結果を出します。ひとつでも多くの組織が、従業員を大切にし、顧客満足だけでなく、従業員満足を向上させることで、さらなる発展をされることを望みます。

ハードクレームから従業員・組織を守る本

津田卓也 著
あさ出版
1,500円+税

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