さまざまな人事施策をスピーディーに実践して組織力を強化するためには、自社に適した支援サービスをうまく活用していく必要がある。そこで、最近発表された人材の採用・定着・育成に役立つ多くのサービスの中から日本人材ニュース編集部がピックアップして紹介する(文:日本人材ニュース編集部)
AI活用の効率的な反復トレーニングで社会人マナーの定着を促進【アドバンスト・メディア】
アドバンスト・メディアは、AI 音声認識技術でロールプレイングをサポートする「AmiVoice RolePlay」で、新卒社員が社会人マナーの反復トレーニングができる研修コンテンツを提供する。
多くの企業が新卒社員向けにマナー講師による研修を実施しているものの半日程度が多く、実践の場で失敗を重ねながらマナーを定着させていくのが実情となっていることから、「AmiVoice RolePlay」に「社会人マナー」「顧客対応マナー」のコンテンツを用意し、より効率的・効果的な研修ニーズに応える。
事前配布資料でポイントを確認してセルフトレーニングに取り組み、自動採点後に提供される模範解答をもとに自身の強みや改善点を確認できる。管理職やトレーナーが相手役を務める必要がなく、空いた時間に自己学習を進められる。

2万件の退職データを活用し、離職率低下のコンサルティングを開始【アルバトロス】
アルバトロスは、運営する「退職代行モームリ」に蓄積された2万件を超えるデータを活用して、離職率低下のためのコンサルティングサービス「MOMURI+(モームリプラス)」を開始した。
短期離職や離職率の高さに悩む企業に対して、①情報開示(依頼内容に応じて退職代行利用者数、同業種の傾向や労働問題、実際の退職理由などの情報を提供)、②コンサルティング(各社に合った離職率低下施策を提案)、③コンサルティング顧問契約(離職率低下施策の中長期的なフォローアップまでサポート)、④講演会・講義(離職率低下の取り組みなどのテーマで要望に応じて実施)、⑤記事監修(退職代行事業や記事執筆の実績に基づいて監修)、⑥取材対応(400件以上の取材・出演実績を生かしてメディア活動に対応)の6つのサービスを提案する。
一方、就職・転職を考える労働者向け「退職情報開示サービス」では、退職理由や労働環境の情報を提供し、企業選びに役立ててもらう。

10分の受検で社員の職務適性を明らかにする適性検査を開発【ヒューマンキャピタル研究所】
適切な配置が行われず、社員のモチベーションの低下によって離職に至るケースの増加を受け、ヒューマンキャピタル研究所は社員の職務適性を確認できる「HCiキャリア適性」の提供を開始した。
40年にわたって蓄積したデータベースをもとに開発された10分で受検できるアセスメントサービスで、妥当性80%以上の精度で受検者の強み・弱みを分析し、本人に合った職種を明らかにする。適性に合った職種に配置することで人材の強みを引き出し、生産性の高い組織の構築につなげてもらう。また、キャリア開発のために必要な能力や伸ばすべき能力を確認できるため、本人への的確な指導やアドバイスがモチベーションの低下を防ぐ。
「本人用」の診断結果報告書には必要な改善内容やステップアップに向けたアクションプランが明記されているため、自己成長につながる基本資料として活用できる。
企業の新規事業創出に伴走できる外部の専門人材を紹介【Spready】
Spreadyは、外部の専門人材が企業の新規事業の伴走者になる新規事業特化スポット専門家紹介サービス「Spready Expert Works」をリリースした。
同社の調査によると、新規事業担当者の86.9%が新規事業推進に当たり「人材」が課題にあったと回答し、具体的には「新規事業創出をできるスキルを持った人材が社内にいない」が最も多かった。こうした結果を踏まえ、人材の課題を解決することが新規事業支援につながると考え、新たなサービスを開始した。
事業伴走経験を持つ同社のカスタマーサクセス担当が「新規事業のアイデアがあるけど事業化する方法がわからない」「新規事業を推進する中での悩みの壁打ちしてほしい」「新規事業を推進している領域について詳しい人に意見が聞きたい」などの課題をヒアリングし、ゼロから事業を立ち上げてマーケットインさせた経験を持つ外部の専門人材を紹介する。

すぐに現場で活用できる実践形式のカスハラ対策研修を開始【アイ・エヌ・ジー・エンタープライズ】
アイ・エヌ・ジー・エンタープライズは、顧客対応で直面するカスタマーハラスメント(カスハラ)を未然に防ぎ、適切に対処するための研修を開始した。
2025年4月施行予定の「東京都カスタマーハラスメント防止条例」に備えて最新の行政動向に対応し、カスハラの基礎知識からハードクレームや悪質行為への対処法、過度なストレスにさらされた現場担当者を支えるレジリエンススキルなどが学べる。
現場担当者の1次対応(初期クレーム対応)だけでなく、管理職や総務・人事などの専門部署に求められる2次対応(エスカレーション対応)もカリキュラムに組み込み、組織的な対処法も習得できる。
実践形式の演習を多く取り入れることで、すぐに現場で活用できるスキルを身につけてもらう。
採用候補者のハラスメント傾向を予測し、離職やトラブルを未然に防ぐ【グラム】
グラムは、適性検査クラウド「Jobgram」に採用候補者のハラスメント傾向を予測する新機能「離職リスクラベル」を追加した。
「Jobgram」は、5分で実施できる性格診断と構造化面接の仕組みを活用したスキルチェックテストをもとに社員と採用候補者の性格特性やスキルを可視化する。
採用において「早期離職のリスクを減らしたい」「組織に悪影響を及ぼす可能性のある特性を見極めたい」などのニーズが高まっていることから、「離職リスクラベル」では、「Jobgram」に蓄積された数十万人のデータと応用心理学の研究成果を活用し、支配的でパワハラリスクのある「威圧的」、マイクロマネジメントやモラルハザードを招くリスクのある「責任過剰」、派閥形成や人間関係の悪化を誘発するリスクのある「裏工作」など、離職や組織内でトラブルを引き起こす可能性のある特性を表示する。
