【著者が語る】セールスマネジメントモデル

シェルパワークス 米倉 達哉 代表取締役社長

シェルパワークス
米倉 達哉 代表取締役社長

【PROFILE】大学卒業後、海外添乗をするために大手旅行会社に入社。法人営業として企業と官公庁を担当し、営業の基本を叩き込まれる。その傍ら、サッカー観戦ツアーなども企画し、7年間で海外50都市以上を添乗。2000年に営業力強化支援をするために富士ゼロックス総合教育研究所(現パーソル総合研究所)に入社。米国流セールスサイエンスメソッドを活用して、営業の戦略実行コンサルティングを展開。2016年に日本の営業を元気にするためにシェルパワークス株式会社を設立し、代表取締役に就任。これまでに300を超える営業変革プロジェクトを牽引。

営業は、企業と顧客をつなぐ社会に不可欠な仕事です。しかし、バブル崩壊、リーマンショック、コロナ禍を経て、市場は縮小と複雑化を続けています。

顧客の情報リテラシーの向上や慢性的な人材不足も加わり、従来の「頑張れば何とかなる」営業スタイルでは成果に結びつかない状況が広がっています。中でも営業マネジャーは、日々の数値プレッシャーに追われ、育成や戦略に手が回らず、チームを導く余力を失いがちです。

このままでは、営業が持つ社会的価値や人材の成長可能性まで損なわれかねない――その危機感が、本書執筆の出発点です。

本書「セールスマネジメントモデル」は、営業マネジメントに必要な役割やスキルを7つの要素(ビジョン、戦略、組織、プロセス、市場、顧客、人材)に体系化し、属人的な手法に頼ることなく、チーム全体で成果を再現できる「型」を提示しています。

たとえば、営業プロセスの各ステージにおいて行動基準を明確にすることで、マネジャーがメンバーの活動を可視化・定義し、成果の背景を言語化できるようになります。

それにより、マネジメントが単なる管理業務ではなく、学習と成長を支える仕組みに進化していくのです。

また、組織として「どう勝つか」を共有できれば、個々の努力が戦略に連動し、成果の再現性と持続性が高まります。全社ビジョンを土台に自組織のビジョン・バリューを描き、実務に落とし込むステップや、現場が腹落ちするシナリオの描き方も提示しているので、ぜひ参考になればと思います。

本書は、営業マネジャー本人だけでなく、人事責任者や経営層の人にもぜひ読んでもらいたい一冊です。営業マネジャーが「個人の成果創出」だけでなく「人を育て、チームを動かす推進役」として機能するためには、育成・支援のあり方を根本から見直すことが求められます。

現場任せのOJTにとどまらず、体系的なマネジメント力を高める仕組みや施策が、これからの営業組織には不可欠です。人材開発・営業改革の両面から、本書が対話と行動の起点になることを願っています。

セールスマネジメントモデル

米倉達哉 著
クロスメディア・パブリッシング
1,780円+税

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