
アンドア
堀井 悠 代表取締役
【PROFILE】スターバックス、学習塾、リクルートを経歴し、国内・国外と大手・ベンチャーのカルチャーを経験。スターバックスで学んだ理念に基づく主体的なチーム開発を得意とし、日本国内最大手の製造業、自動車メーカー、食品会社、スタートアップ事業での研修の企画、開発、講師登壇を経験。述べ11,000人の受講者、5段階評価で平均4.8点と高い満足度に定評がある。人事向け大型カンファレンスの登壇や、雑誌への執筆では独自の理論「腹割り対話でつくる組織変革」を提唱。モットーは「あした、また、がんばろう」と思えるチームを増やすこと。
「対話」専門の研修会社、アンドア代表として約500組織で人材・組織開発を支援してきました。
新規事業プログラム支援中、事業化がうまくいかないプロジェクトを追跡すると、事務局は「想いが足りない」と片づけがちでしたが、実は「話し合い」に癖があることがわかりました。
発散期に「誰の許可を得ているのか」「どう責任を取るのか」など、「正解探索」「正論論破」な発言でプロジェクトが頓挫するのです。ビジネスの価値創出の前提が変わりました。従来は独自技術を「正しく」量産することが競争優位でした。この「正しさ」の追求には白黒決着することを意味する【議論】が適します。
一方で現在の価値創出の照準は「未来の正解が無い問い」へシフトしています。この話し合いには「意味の流れ」を意味する【対話】が適します。
多様性、人的資本、無形資産など、【対話】で「解決」を生むテーマが増加中です。しかし私たちは【議論】による「回答」に慣れ親しんでいます。結果、会議のための会議、決めない人の参加など、ムダが生じます。そのムダを前に静かに黙る、思いやアイディアのある若手社員がいます。
足りないのは彼らの主体性ではなく、組織の【対話の基礎】です。多くのマネジャーからの「概念はわかったが、何をどう変えればいいか?」という問いに応えるために【きっかけ砂時計®】モデルを開発しました。対話の流れを体系的にトレーニングするフレームです。
質問技法が「技の一つ一つ」なら、きっかけ砂時計®は「料理の流れ」。多くのマネジャーは技を習得済みですが、対話の流れが我流です。
結果、時間内に終わらない、堂々巡り、話すだけムダな時間になりがちです。きっかけ砂時計®対話は、メンバー自身の関心を自然に深め、納得感ある次のアクションに導きます。「上司が一緒に悩んでくれた」充実感をもたらし、上司の自己効力感も高めます。
社員誰にも歴史があり、夢があり、本来の力があります。対話によって誰もが「本来の力を、思いのままに」できる職場づくりが私たちの喜びです。

堀井悠,松本悠幹 著
クロスメディア・パブリッシング
1,580円+税