今更聞けないビジネスシーンでのタブー~話題編~

ビジネスシーンで取引先の会社の担当者との会話では、ビジネスに直結する話題ばかりではないですよね。初対面の時や場の空気を和ませるために、様々な雑談話も人間関係を築く上では重要です。そこでそんな会話のタブーな話題をご紹介しましょう。(文:日本人材ニュース編集部

相手との関係を良好に保つ上でタブーな話題

初対面の人と良好な関係を保つ上でタブーとされている話題が3つあります。
それは、宗教・政治・野球の3つです。

これらは、個人の心の奥底にふれる可能性のある話題だからです。

宗教は、個人の信条の根幹にかかわるものです。政治の問題に関する考え方も、価値観に触れるものです。野球については根強い趣味趣向の問題です。

これらの内容で、同調する相手である場合は、盛り上がって一気に仲良くなれるかもしれませんが、意見が食い違った場合は、場の空気が凍り付きます。

凍り付くだけなら話題を変えてその場を乗り切ることもできますが、口論に発展して契約破綻のリスクさえあるのです。

反対に、相手の趣味趣向を調査して、相手が喜ぶ話題として、敢えてこれらの3つの話題を持って行くこともありますが、相手のことをよく知らない場合は、避けることをおすすめします。

宗教や政治や野球に限らず、相手の趣味趣向に対し、マイナスイメージを与える話題は全般的にタブーです。

そのためにも、それらの話題がどうしてダメなのかを理解しましょう。
これが理解できていれば、反対に相手の趣味趣向をくすぐることで、相手との心の距離を縮め、信頼関係を築くことも可能です。

宗教の話題がタブーな理由

例えば
「○○宗教には関わり合いになりたくないですよね」
に対し
「…私は○○宗教ですが……」
もう、冷たい空気が流れてしまいますよね。

一旦口から出た言葉はもう一人歩きしてしまいます。

発した方には悪気はなくても、受け取りようによっては大きな非難をしてしまったような感じになります。

緊張している時ほど、フォローのつもりがどんどんドツボにはまっていってしまうこともあります。

終いには、「私とも関わり合いになりたくないのですね」といった感じです。

人によって宗教の考え方はさまざまです。でも、中には生き方の糧に、あるいは価値観の軸になっている人もいます。

世の中には様々な宗教がありますので、相手がどの宗教かわからないうちに、話題にするのは危険な場合も多いのです。

もしも相手の宗教に対し、マイナスイメージを持つような言葉を発してしまった場合、相手の価値観や生き方を全否定してしまったなんてことになっているかもしれません。

もしそうなってしまった場合、そんな相手とビジネスでお付き合いしようとは思いませんよね。

反対にお見合いの席では、宗教の話題はよく出ます。
これは、一生連れ添う相手の宗教が相容れない場合は、夫婦生活そのものに破綻を来すリスクがあるからです。
だから、お付き合いする前に敢えて聞くことも多いのです。

それほど宗教問題は人生を揺るがす可能性を秘めているかもしれない重要な問題である人もいるのだということを認識しておきましょう。

政治の話題がタブーな理由

例えば

「今度の選挙は絶対○○党ですよね」
に対し
「私の会社の社長は△△政党の後援会をしています」
 (冷たい空気)
「○○政党を指示しているなんて××なんですね。そんな考えの方には今回のお仕事はお任せできません」

なんてことにもなりかねません。

こと政治問題に関しては、無関心すぎても社会人として問題です。
「政治に無関心なの?」
と思われること自体マイナスイメージですが、相手の意見を受け入れる話し方をしつつ、自分の意見も相手の感情を逆なでしない程度に言えるには、かなり高度なコミュ力が必要です。

政治問題は、人生経験を積めば積むほど生き方によって考え方も変わります。
だから、新社会人や第二新卒の社会人になって未だ年数が浅い未だ若いときとは、少しずつ変わっていくものです。

だから、下手に政治に関する意見を言って、それが
「浅はかな考え方だ」
「メディアの受け売りだ」
なんてふうにお相手に思われてしまったら大失点に繋がりかねません。

たとえ先方の偏見による場合があったとしても仕事の能力自体を低く見られてしまう可能性もあります。

一概には言えませんが、新社会人や第二新卒の若い社員(20代・30代のうち)は、政治問題について関心はあっても断定的な発言は避けた方が無難でしょう。

もちろん自分の中では、メディアに流されずに的確な判断や意見を持つよう努力して下さいね。

ただし、ビジネスシーンでは、
「○○だとメディアで言っていますが、自分はまだ不勉強で・・・・・・」
とか
「○○党を指示する人が増えているようですね」
とか、政治に関心がある程度にとどめておきましょう。

また、お相手の政治的意見については、
「そうなんですか」
「そのような見方もあるんですね。勉強になります」
とか、肯定的に聞く形がおすすめです。

野球の話題がタブーな理由

例えば
「昨日阪神巨人戦見ました?やっぱり巨人が勝ちましたね」
に対して
「私は阪神ファンなんでその話はしないで下さい」
なんてこともあります。

熱狂的な野球ファンの場合は、応援しているチームが負けるだけで機嫌が悪くなる人を会社で見たことはありませんか?

たとえば、阪神ファンの人に巨人ファンだと言うだけで喧嘩になってしまうことさえあります。
エキサイトして契約が破談になってしまうことさえあるくらいです。

趣味趣向、こと野球については、相手の応援しているチームがわからないうちは避けるのが無難でしょう。

信頼関係は仲良くなることも早道の一つ

ビジネスシーンで信頼関係を築くには、仲良くなるのが早道です。そのために、趣味趣向を利用することもしばしばでしょう。

ビジネスシーンは、相手の趣味趣向を理解することから歩み寄る方法がよく使われます。郷里や出身校、住所が同じだけでも話題が弾みます。しかも趣味や趣向が同じならなおさらです。

でも、譲れない趣味趣向もあります。宗教や政治や野球は、この譲れない分野に入ります。
だから、相手との相容れない部分を未だ相手をよく知らないうちにあからさまにするのは、相手との距離を縮めるどころか溝を作りかねないのです。

だから、ビジネスシーンや初対面の相手との話題としてはタブーとされています。

ビジネスシーンで相手との心の距離を縮める第一歩は、もっとも当たり障りのない話題が無難です。

お天気の話題なら、先々の天気を知っているのも話題を広げる秘訣です。
例えば、
「来週子供のお遊戯会だ」
と聞いたときに、
「その日は天気予報で晴れると言ってましたよ。天気予報通りだと良いですね」
とか言うとお相手の心も和み、会話が弾みます。

また、共通の話題を探したり、相手の服装やアクセサリー等身につけている物を褒めることで相手の気分を良くするなんて手法もおすすめです。

好感度を得やすい5つの法則

ちなみに、相手との距離を縮める話し方通しては、好感度を得やすい心理的法則もあります。

・自分から笑顔で挨拶をする(会釈でも良い)
・目を見て話す
・笑顔
・つま先を相手に向けて話す
・身を乗り出して話す

好きな男性が自分に関心があるかどうかのチェック方としても目にしたことのある人も多いかもしれません。

実は、これらの表現・動作は、心理学的に相手に好意を持っている無意識表現なのです。

一般的に好感度や真剣度が伝わりやすい動作でもありますので、ビジネスシーンでも活用できます。

他にも「この人苦手だな」と思っている相手には、相手もあなたにマイナスなイメージを持っている場合が多いという心理学の統計データがあります。

だから、多少苦手な相手でも「仲良くなりたい」と強く願って話せば、その雰囲気が伝わるものです。

タイミングにも寄りますが、無難なプライベイトな話をして、相手に心を開くのも一つの方法です。相手も徐々に心を開いてくれやすくなる可能性大です。

ビジネスも人と人の関係が大きく影響します。もちろんそれだけではありませんが、能力も条件も同じなら、好感度お高い人の方が選ばれるのも事実です。

大げさな例ですが、漫画「釣りバカ日誌」のハマちゃんが、仕事はできないのに、コミュ力と釣りの腕で契約をバンバン取ってしまうこのお話。
助けてくれたハマちゃんを大好きになった取引先の相手がハマちゃんと契約したくなるといった話です。

ハマちゃんのように適当に働いていては会社の籍がなくなりそうですが、「人から好かれる」というのは、ビジネスシーンにも能力や運と同じくらい重要なのです。

好感度法則を日頃から試していると、ビジネスシーンにも役立つ可能性が増えてくるでしょう。

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