【広告分野の中途採用】縦型動画を軸にしたSNS広告の拡大で、企画・運用・編集職の採用熱が継続

日本人材ニュース

Hype Agency
安藤 佳晃 代表取締役

広告分野の中途採用市場は近年活発化しており、総務省「サービス産業動向調査」によれば、2024年度の広告業従業者数は13万300人(常用労働者)と前年対比4%増加し、一時の減少傾向から回復基調にあります。これは広告投資の持ち直しや、デジタル領域の拡大が追い風となっていることが影響していると考えられます。

企業側では、動画広告やSNS広告の運用・企画に携わる人材の需要が高まっており、特に縦型動画を軸にしたSNS広告の需要拡大は顕著で、広告プランナーや運用担当・編集ディレクターの採用熱は依然高い状況です。さらに今後はAIやデータ活用が進むことで、データドリブンな戦略を描ける人材やAIを活用した広告運用・クリエイティブ制作を推進できる人材へのニーズが急増すると予想されます。

一方、求職者側の特徴としては、経済産業省主導のリスキリング施策の広がりにより未経験層の参入が増えている点が挙げられ、Webマーケティングスクールの普及を背景に、異業種から広告分野へ挑戦する人材が増加、当社の転職サービス「アドキャリ転職」においても未経験層の応募が前年度対比12%増となりました。

このような背景から企業は母集団拡大傾向にあるものの、即戦力経験者の獲得競争は依然として激しい状況です。専門性の高い人材を惹きつけるためには、必須スキルを明確化し優先順位をつけること、入社後のキャリアビジョンや成長機会を提示すること、報酬設計の見直しや働き方など条件面での競争力を確保することが求められます。

特に広告代理店はビジネスモデル上の差別化が難しいため、「働きやすさ」と「成長環境」を打ち出し、候補者に選ばれる理由を明示することが不可欠です。

これらの導入が困難な企業は、人材ポートフォリオの見直しによって未経験人材を受け入れる教育体制を整えることが成長の鍵を握るポイントとなりそうです。広告業界においても人事の役割が事業戦略に発展的な影響を及ぼしていくフェーズと言えるでしょう。

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