モリヤコンサルティング
守屋 智敬 代表取締役
アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)という言葉をご存じでしょうか。近年、GoogleやJohnson&Johnsonなどが教育で取り入れ始めたことで話題の「アンコンシャス・バイアス」が本書のテーマです。
新聞や各種メディアの報道でも、女性活躍推進やダイバーシティ&インクルージョン推進に関する特集として、「アンコンシャス・バイアス研修」が取り上げられるようになったことでも注目を集めています。
アンコンシャス・バイアスとは、日本語では「無意識の思いこみ」「無意識の偏見」「無意識のとらわれ」など、さまざまな言葉で表現される概念です。実例としてよく知られているのは「男性だから」「女性だから」「理系だから」「文系だから」「時短勤務だから」「子どもがいるから」といったステレオタイプな決めつけを、無意識のうちにしてしまうことなどが該当します。
このように、無意識のうちに偏ったモノの見方をしてしまうことをアンコンシャス・バイアスといいます。組織のリーダーは、自分の中にあるアンコンシャス・バイアスの存在とその影響力を知ることがとても大切です。
私たちが「知っていること」「分かっていること」「見えている世界」は、全て自分なりの解釈でつくり出されています。つまり、そのほとんどが「知っているつもり」「分かっているつもり」「見えているつもり」なのです。
私たちは誰もが、自分の見えている世界を自分なりに解釈しています。そしてこの解釈の違いが、いつの間にか人間関係を悪化させ、知らず知らずのうちにメンバーのやる気を失わせていたり、良かれと思ってしたことが裏目に出てしまったり、といったことを引き起こします。
本書では、ダイバーシティやイノベーションといった、企業が抱えている問題が、「どのようなアンコンシャス・バイアスから生まれているのか」を解き明かすと同時に、どうすればよりよい結果にチームを導けるのかについてお伝えしています。
守屋智敬 著
大和書房、1,400円+税
【関連記事】
- 変革人材の争奪戦が過熱 失敗しない採用戦略とは【人材獲得策の最新事情】
- 企業価値を高める独自の人材投資が本格化【人的資本経営の実践と課題】
- DXと管理職の意識改革でエンゲージメントを高める【人的資本経営とウェルビーイング】