クオレ・シー・キューブ
岡田 康子 代表取締役
「25日には自動的に給料が振り込まれると思っていたんです。今から思えば不良社員だった」とOさんは振り返る。Oさんは3年前に、私たちが主催している事業提案講座DIW塾に育児時短中に参加し、社内報告会で事業提案を行ったことは周囲に大きなショックを与えました。
その後、Oさんは「もっと会社に貢献しよう」と決意し、今では会社の働き方変革プロジェクトを率いて張り切っています。
実は彼女は自分がいうほど不良社員ではありません。指示された仕事をきちんとこなす真面目な普通の社員です。
企業で大多数を占める彼女のような一般職女性たちが自分の能力に気づき、積極的に貢献するようになれば企業の価値は増大するでしょう。彼女たちは今までの慣習に縛られず、新鮮な発想で企業に貢献できるはずです。
しかし残念なことに彼女たちに業務の拡大や昇進を打診すると「私このままでいいんです」という答えが返ってくるという。でもよく考えてみましょう。急速な技術革新によって産業界は劇的な変化を遂げています。
日本を代表するような電機メーカーすらも買収される時代。社会の動きとともに会社も変わっていかざるをえない。その会社の中で自分だけ変わらずにいることは不可能です。
ロボットや人工知能が職場にどんどん進出してくる。指示されたことをコツコツとやるばかりでは到底ロボットには勝てない。10年後、20年後自分は何をもって企業活動に貢献できるのかを考え続けなければ会社の中で生き残ることはできない。このままでいいはずがありません。
女性活躍推進策は決して女性のためにあるのではなく、企業の飛躍のチャンスと捉えたい。「女性が新たな価値を作りだす」「女性の成長が企業の成長につながる」そういう視点で推進策を位置づける必要があるでしょう。
この本はこれからの働き方を考えている女性たちが、自らのキャリアをデザインし、社会に貢献していく道を考える時に役立てていただきたい。
岡田康子 著
東峰書房、1,400円+税
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