プロッソ
牛久保 潔 代表取締役社長
経営者や人事の方から、「企業規模が小さいから応募者が来ない」とか、「知名度がないからよい人材が採れない」、「不人気業種だから採用できない」というような話をよく聞くことがある。
それらは果たして正しいのだろうか。たしかにそうした要因は採用結果に大きな影響を与える。しかし一方で、同業界、同規模のライバル企業でありながら、応募者数も採用人数も一人当たりの採用コストも大きく違うことがよく起こる。一人当たりの採用コストだけを比べても、100〜200%も違う例があちこちで見られる。これらは採用力の違いと言わざるを得えないではないか。
本書は、中途採用に特化して戦略や戦術を書いたものである。企業が採用に求めるものは、先ほど挙げた採用コストだけでなく、人材の質の向上、採用する人数の確保などもある。さらに中途採用は新卒採用と違い即戦力を採用することが多く、ビジネスの動きを見ながら採用を行う必要があるため、入社するスピードやタイミングという問題も大切である。
こうした採用コスト、人材の質、人材の数、採用するスピードやタイミングといった問題を思うように操る力こそ中途採用力であり、これは企業の規模や知名度などとは関係なく高めていくことができると考える。
いろいろな企業から提案された採用関連サービスのメニューに乗って採用活動を行っているだけでは、大きな資本のある企業と同じ土俵で戦うことになり、採用予算や知名度で劣る企業が採用競争に勝つことはとてもむずかしいと言える。
成長企業とか勝ち組企業と言われる企業は、例外なく採用活動に力を入れている。ぜひ、本書を通して、企業規模や知名度に関係なく採用力を高めることができるということ、また大手企業や人気企業との採用競争にも打ち勝つことが可能であることを知っていただきたい。
牛久保潔 著
すばる舎、1575円