オーセンティックス
高田 誠 代表取締役
「この上司は、部下にこんなこともやってないのか?!」
P&Gを退社した後、様々な組織に関わって何度も思いました。最初はやる気の問題なのかと思いましたが、本人たちは一生懸命で結局わかったのは、「多くの『上司』たちは部下育成のために何をやらなければいけないかを知らない」ということです。
そこでまとめたのがこの本です。部下育成のために上司がやるべきことを56のアクションとして整理しました。「上司たるもの」という精神論でも、考え方だけの漠然としたものでもなく、すぐに役立てられるよう具体的にリストアップしています。
最近、様々な業界で「元P&G」人材の活躍が目立っています。私も20年以上P&Gにいて、人材育成力は本当に素晴らしかったと思っています。その秘密は、決して「P&G大学」のような特別な育成プログラムではなく、まさにこの「部下を育成する上司力」、これこそがP&Gの人材育成のノウハウです。(言い切りますが、P&G関係者は誰も否定しないと思います)
上司が部下育成のためにやるべきことを考え、愚直にやり、それが組織として面になって組織全体で人材を日々育成している。そんなイメージです。その中に「P&Gだけがやっている」ような特別なことは一切ありません。「P&Gだからできる」ということもありません。ただ、P&Gでは「これをやらなければ人材育成はできない」という認識を一人一人が持ち、毎日必死にやっている、違いはそれだけです。
是非、人事の皆さんにはこの56のアクションを組織の仕組みとして導入し、各部署の上司の育成力を鍛えていただければと思います。一気に全てではなくても、特に力を入れるべき領域に絞って始めていただければ、今までなかなか進まなかった人材育成のホイールが大きく動き始め、組織の改革が始められるのではないでしょうか。この本が何らかの形で皆さんのお役に立つことを心から願っています。
高田誠 著
リーダーズノート出版、税込1,760円
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