ドリームキャリア
渡辺 道也 理系ナビ編集長
理系学生の採用競争は激しさを増しており、特に情報系、機電系学生については奪い合いの状態が続いています。さらに、論理的思考力や数理能力などに長けた理系学生の活躍フィールドは研究・技術職だけにとどまらず、金融やコンサルなどを中心として幅広い業界に広がっており、業種を越えて採用ニーズは高まり続けています。
このような状況下で多くの企業が直面しているのは、「理系学生と直接接触できる機会をどのように増やすか」という課題。修士1年(学部3年)の3月から、採用選考解禁の6月までに、研究室訪問、学内説明会、インターンシップなどを効果的に実施し、有効な母集団を形成できた企業がターゲット学生の採用に成功している印象です。
学生からのインターンシップ評価が高い企業は、受け入れ人数を増やすだけでなく、「専門ごとのコース細分化」「リアルな職場体験」といった工夫が見られます。定型化されたワーク型よりも、社員の横で仕事現場を見ながら
話を聞ける体験型が学生には好評です。玉石混交の情報がインターネットに溢れる中で、「現場社員の話を直接聞きたい」というニーズが強まっているため、自社社員の協力は欠かせません。
夏のインターンシップで主要事業(職種)の採用対象者を確保し、秋は新規事業領域で必要となるターゲット学生向けのイベントを仕掛ける企業もあります。また、インターンシップは実施して終わりではなく、定期的に参加学生と接点を設けることも、採用成功するためには不可欠です。
もっと長期的な視点で言えば、早期からの企業認知の重要性が高まっています。理系学生のエントリー社数は減少傾向にあり、志望業界・企業など視野を広げない学生が増えているので、就職活動が本格化する前に自社を知ってもらうための施策を考える必要があります。
一例をあげると、全学年向けのインターンシップ・イベントの実施や、当社発行媒体ですが大学事務室や研究室に設置している理系学生向けの情報誌「理系ナビ」によるPRといった手法もあります。