【著者が語る】人財トランスフォーメーション 日本企業の未来を変える意識・制度・行動の変革

B&DX 安部 慶喜 代表取締役社長

B&DX
安部 慶喜 代表取締役社長

【PROFILE】大学院卒業後、デロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)にて経営コンサルティングに従事。2011年より執行役員。2015年からは経営改革部門の責任者を務める。製造業、卸売業、サービス業、運輸業、銀行、保険、エネルギー業界といった多様な業界を対象に、デジタル改革(DX)、働き方改革、制度・業務改革、組織改革、経営戦略立案、新規事業支援、人財改革、人的資本経営、など、幅広い領域でコンサルティングを提供。2020年にアビームコンサルティングを退社し、2021年、日本企業のビジネストランスフォーメーション(BX)とデジタルトランスフォーメション(DX)を支援したいという想いから「B&DX」を設立し、代表取締役社長に就任。

昨今、日本政府が人的資本可視化指針を発表したことを受け、日本企業においても人財に関する情報開示やジョブ型雇用の採用が模索されています。また、DX、SX、働き方改革、新規事業創出などあらゆる企業変革の実現に向け、その変革の源泉である「人財」に対する注目が集まっています。

一方で、政府の方針を義務的に捉え、また流行の人事制度をある種、表面的に形だけを取り入れることを目的に取り組みを進めている企業が多く見られます。

しかし、日本経済の「失われた30年」を招いた根本的な課題こそ「人財」であり、裏を返せばこの「人財」を変革することこそが日本企業が新たな成長フェーズに移行し、長く続いた経済の凋落から脱するためのチャンスであると信じ、本書の発刊に至りました。

本書は、長年の日本企業の変革に携わってきたコンサルティングの経験や100人を超える日本を代表する企業のCEO、CHROの皆様、一橋大学大学院教授・伊藤邦雄先生との熱い議論を踏まえて、独自の観点から日本特有の雇用環境を踏まえた「人財X(トランスフォーメーション)」の姿を描いています。

戦後世界でも類を見ないほどの急速な成長を遂げた日本経済の成功の陰で企業組織は「ビジネスモデル・戦略を問い直す習慣・能力が欠如している」「経営戦略を実現するために必要なあるべき人財像の再定義がなされていない」という2つの事態が進行し、外部環境の激変に対しても根本的な構造は変えずに個別の制度変更や欧米諸国の事例を戦略なきままに取り入れては失敗を繰り返してきました。

本来、雇用形態、労働法制、労働市場などあらゆる面で根本的に異なる欧米社会の人事制度を中途半端に取り入れるのではなく、日本社会の特徴を踏まえた独自の姿である「日本型人財X」を目指すべきであるとし、変革を実現するためのポイントや進め方について事例を交えながら示しています。

今後の日本経済が「失われた40年」とならないように、変革は急務でありながらも簡単ではない人財Xの実現に向けて、本書が皆様の自社での取り組みを成功に導くための礎になることを願っています。

B&DX

安部慶喜・柳剛洋・金弘潤一郎 著
日経BP
1,800円+税

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