2025年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.75倍と、2024年卒の1.71倍より0.04ポイント上昇したことが、リクルート(東京・千代田、北村吉弘社長)の「第41回 ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
大卒求人倍率は、2022年卒で新型コロナウイルス感染拡大による景況感悪化の影響から一時的に求人倍率が低下したものの、それ以降は現在まで上昇が続いている。
【求人倍率の推移】
2015年 1.61倍
2016年 1.73倍
2017年 1.74倍
2018年 1.78倍
2019年 1.88倍
2020年 1.83倍
2021年 1.53倍
2022年 1.50倍
2023年 1.58倍
2024年 1.71倍
2025年 1.75倍
従業員規模別に見ると、300人未満企業は6.50倍、300~999人企業は1.60倍、1000~4999人企業は1.14倍、5000人以上企業は0.34倍だった。
【従業員規模別 求人倍率】
300人未満企業 6.50倍(前年比0.31ポイント増)
300~999人企業 1.60倍(同0.46ポイント増)
1000~4999人企業 1.14倍(同増減なし)
5000人以上企業 0.34倍(同0.07ポイント減)
300人未満企業は6.50倍であり、コロナ禍前のピークである2019年卒の9.91倍、2020年卒の8.62倍に次ぐ水準であった。
300~999人企業では比較可能な2010年卒以降で最も高い1.60倍となり、5000人以上企業では最も低い0.34倍となった。
企業側から見ると、2024年卒同様、全ての従業員規模で求人総数は増加した。ただし対前年増減率については全ての従業員規模で2024年卒に比べ低下しており、特に300人未満企業では2023年卒から2024年卒で11.6%増加したのに対し、2024年卒から2025年卒では1.3%の増加となった。
学生側から民間企業就職希望者数を見ると、対前年増減率は300人未満企業で3.6%、300~999人企業で26.0%の減少となった。一方、1000~4999人企業では7.6%、5000人以上企業では24.3%増加しており、大手企業への就職希望者が増加した。
業種別に見ると、建設業と流通業の大卒求人倍率が他の業種に比べて高い傾向は変わらないものの、建設業では13.74倍から9.35倍へ4.39ポイント低下、流通業では10.49倍から16.21倍へ5.72ポイント上昇した。
【業種別 求人倍率】
建設業 9.35倍(前年比4.39ポイント減)
製造業 2.07倍(同0.12ポイント減)
流通業 16.21倍(同5.72ポイント増)
金融業 0.23倍(同0.02ポイント増)
サービス・情報業 0.36倍(同増減なし)
調査は、2024年1月25日~3月1日、従業員規模5人以上の全国の民間企業8130社を対象に電話・FAX・インターネットで実施し、4132社の回答を得た。