「階層別研修」は96.6%と大多数の企業が実施していることが、労務行政研究所が実施した「人材育成・教育研修に関するアンケート」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
Off-JT形式の教育研修として実施する研修を聞くと、「階層別研修」が最も多く96.6%となった。次いで、「職種別・部門別研修」と「テーマ別研修」がともに59.5%で並んだ。
【教育研修(Off-JT)として実施する研修の種類】(複数回答)
階層別研修 96.6%
職種別・部門別研修 59.5%
テーマ別研修 59.5%
選抜型研修 52.6%
選択型研修 42.2%
その他 0.9%
規模別に見ると、1000人以上では「階層別研修」が100%とすべての企業で実施しているほか、「テーマ別研修」が73.7%など、規模の小さい企業と比べて各研修の実施率が高い。
対象別に階層別研修の実施状況を見ると、「新入社員研修」(97.7%)が最も多く、「新任管理職研修」(89.7%)も約9割の企業が実施している。「中堅・リーダー社員研修」(78.9%)、「フォローアップ研修」(78.4%)も実施率は8割近い。
【対象別 階層別研修の実施状況】(複数回答)
新入社員研修 97.7%
新任管理職研修 89.7%
中堅・リーダー社員研修 78.9%
フォローアップ研修 78.4%
若手社員研修 57.7%
中級・上級管理職研修 57.3%
役員研修 25.8%
その他 1.4%
階層別研修等とは別に、特定の分野にテーマを絞って行う「テーマ別研修」として、2020年以降に実施したテーマ(複数回答)を聞くと、実施率が最も高いのは、改正労働施策総合推進法によって大企業で2020年6月、中小企業で2022年4月に対策が義務化されたパワーハラスメントを含む「ハラスメント」で81.8%。
テーマ別研修を実施する企業の4分の3以上が、この数年でハラスメント対策を含むコンプライアンス領域の研修を行っていることが分かる。
3番目に多いのは「メンタルヘルス」(47.7%)だが、上位2テーマとは30ポイント程度の差がある。
【2020年以降におけるテーマ別研修の実施状況】(複数回答)
ハラスメント 81.8%
コンプライアンス 78.0%
メンタルヘルス 47.7%
ダイバーシティ 34.8%
ITリテラシー 29.5%
語学 20.5%
経営理念 18.9%
その他 8.3%
「経営幹部育成」のための教育・研修等の実施率は38.5%、「管理職候補育成」のための教育・研修等の実施率は46.5%となった。
規模別に見ると、いずれも1000人以上では6割超(60.3%)に上る。
調査は、2024年5月22日~6月4日、『労政時報』定期購読者向けサイト「WEB 労政時報」の登録者から抽出した人事労務担当者を対象にWebアンケートで実施し、271社の回答を集計した。