無自覚に相手を傷つける「マイクロアグレッション」経験者は3割超、「セクハラ」経験者の6倍

日本で働く女性の3割超が無自覚に相手を傷つける「マイクロアグレッション」を1年以内に職場で経験していることが、デロイト トーマツ グループ(東京・千代田、木村研一CEO)の実施した世界調査「Women @ Work 2024: A Global Outlook」の日本版レポートで明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

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過去1年間に職場で経験したインクルーシブでない行動として、差別とまではいかないにしても、無意識なバイアスなどによって、無自覚に相手を傷つける日常的な言動「マイクロアグレッション」を経験したと回答した女性は、グローバルで31%、日本で33%に上った。

セクシュアルハラスメントを経験した割合(グローバル4%、日本5%)のおよそ6倍となっている。

【過去1年間に職場で経験したことがあると回答した割合】
●マイクロアグレッション
グローバル 31%
日本    33%

●セクシュアルハラスメント
グローバル 4%
日本    5%

●その他のハラスメント
グローバル  8%
日本    10%

マイクロアグレッションを「所属組織へ報告した」と回答した日本で働く女性の割合は72%となり、2年連続で上昇している(2022年21%、2023年36%)。

インクルーシブでない行動を報告しない理由にも変化が生じており、2023年調査で最も多く回答されていた「報告するほど深刻とは感じなかった」(36%)は、今回の2024年調査では14%まで低下しており、デロイト トーマツ グループでは「女性の意識・行動に変化が生じていることがうかがえた」と指摘する。

【インクルーシブでない行動を報告しない理由 上位3】
●2023年調査
報告するほど深刻とは感じなかった 36%
報告することがキャリアに悪影響を及ぼすのではないかと感じた 15%
報告することによって行動が悪化するのではないかと感じた 12%

●2024年調査
報告することによって行動が悪化するのではないかと感じた 15%
報告するほど深刻とは感じなかった 14%
自分の訴えが真剣に受け止められると思わなかった 11%

一方、「マイクロアグレッションを含むインクルーシブでない行動を報告した場合、自分が所属する組織が適切な対応を取ることを確信している」と回答した日本で働く女性の割合は4%で、グローバル(9%)を下回った。

【インクルーシブではない行動を所属組織に報告した場合の影響】
●マイクロアグレッションを含むインクルーシブでない行動を報告しても、自分が所属する組織ではキャリアへの影響は生じないと感じている
グローバル 12%
日本    11%

●マイクロアグレッションを含むインクルーシブでない行動を報告した場合、自分が所属する組織が適切な対応を取ることを確信している
グローバル 9%
日本    4%

グローバル調査は、日本、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、インド、南アフリカ、英国、米国の計10カ国で合計5000人の働く女性を対象に実施し、日本版では、調査対象のうち日本で働く女性500人の回答をまとめた。

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