【ITエンジニアの中途採用】最新技術に取り組む積極性や言語化能力・思考力なども採用要件で重視

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ファインディ
寺田 響 Findy転職事業部 副部室長

市場全体のエンジニア職の求人倍率は依然として高く、7月時点で10.54倍と高水準で推移しているとされています(パーソルキャリア調べ)。

ただし当社が9月に実施した調査によると、Webサービスを提供するベンチャー企業を中心に、直近半年間で採用計画や募集要件を見直す企業も出てきており、現状では「採用を増やす」方針の企業と「採用を減らす」方針の企業がほぼ同じ比率で存在している状況が生まれています。

特に「採用を増やす」企業については、近年のAI技術の進化・普及を商機と捉え、サービス成長を実現するためのAI活用人材の獲得に積極的な企業が目立ちます。

また、求職者側においてもAI普及の影響は大きく、当社が6月に実施した調査ではおよそ66.9%のエンジニアが「AIの普及をきっかけに今後のキャリアを検討している」と回答しています。特に、業務上でのAI活用や投資に積極的な企業への就業を希望する声が高まっており、企業の採用力においてAI活用・投資の実態が強い影響力を持つようになっています。

採用要件は、従来重視されてきた技術力に加えて、AI等の最新技術に取り組む積極性や、言語化能力・思考力などのメタスキルも重視されるような傾向が生まれており、「シニアなエンジニアだが、AIに取り組む積極性が足りず見送った」「技術力は足りないが、コーディング能力はAIで補強できると考え、基礎力を重視して採用した」といった事例が報告されています。

このような環境下で企業が採用を成功させるポイントは、AI活用実態を含めた企業としての魅力を言語化し、端的に伝えることです。企業によっては、カジュアル面談など早期の段階から役職者や役員が選考に参加し、自社の魅力を直接伝えることで、候補者への魅力づける取り組みも行われています。

今後数年、AIによってエンジニアリング環境が大きく変化することが予想されるからこそ、そうした変化を主導できるエンジニアや技術研鑽に積極的な若手への“魅力作り”が今まで以上に重要になると思われます。

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