ビジネスコーチ
細川 馨 代表取締役
ビジネスコーチという職業柄、様々な企業の経営者の方からお話を伺う機会が多くあります。経営者は、スピーディかつ確実に会社を成長させる方法を常に模索しています。
私も経営者の一人ですから、その苦労は非常にわかります。ただ、何か新しいチャレンジをしようとするとき、あるいは大きな改革を迫られた時などに「まずは自分達でやってみる」というところから始める企業が多いと感じています。
しかし、私のこれまでの経験においては、目標達成をするうえで「まずは自分達でやってみる」という方法は、結局のところ自分たち「思考の枠」の中での取り組みになってしまうため、これまでと同程度、もしくは類似の結果しか出ないことがほとんどでした。
日本人の多くは「他人に迷惑をかけない」「自分のことは自分でする」と教えられて育っています。
私自身もそうあることが当然だと思って生きてきましたが、半生を振り返ってみると、多くの仲間を作り協力や手助けをしてもらう方が、自分の力だけで乗り切ろうとするよりも、はるかに自分の求めている成果と豊かな人生につながっていると感じています。
世の中には50代、60代の各分野のプロフェッショナルが大勢います。彼らの英知を借りるだけではなく、パートナーシップを結んで積極的に関与してもらい、目標を達成し、成果を上げることが、スピーディかつ確実な会社の成長につながります。
私は大きな壁にぶつかればぶつかるほど、「できる仲間」とのパートナーシップの重要性を痛感してきました。「マネジメントができる人」とは、多くの人の助けを上手に使える人のことだと私は考えています。
最初から「できる仲間」を見つけて助けを借りること、そういう決断も必要ではないでしょうか。
本書では私自身が会社の成長が止まった時期に、どのように考え行動したか、その実体験を通して、「できる仲間」を集める方法を紹介しています。企業の成長を願う経営者の方はもちろん、個人の成長を願うビジネスマンの方の気づきにつなげていただければと思います。
細川馨 著
日経BP 社、1,500円+税