HRインスティテュート
三坂 健 代表取締役社長
本書は「戦略とはそもそも何か」という問いから始まり、戦略的に思考し、行動するための方法を解説しています。
読み進める中で、世の中のあらゆる問題や課題に対して、「もし自分だったら、どのようにシナリオを描くか」「もし自分だったら、どのようにこの目標を実現に導くか」という問いを置き、仮説を立てます。
37問の問いに対して自ら考えることで戦略的思考を日々の生活の中でトレーニングしていく「コツ」を理解し、行動につなげることができます。
戦略的思考は、激変する今の時代を生き残るために不可欠です。
本書は、このような時代において、目標の設定の仕方から、それを実現するまでのシナリオの描き方、外部環境や自社の分析の方法、さらに、戦略を実行するための人の動かし方に至るヒントを提供してくれるものです。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.戦略的思考とは「強い想いを実現するための思考」である
2.「アウトサイド・イン」で考えよう
3.努力に依存しないシナリオを考えよう
4.理感一致で人を動かそう
5.戦略的にロードマップを展開しよう
文中において「戦略」の定義について、「戦略とは、人生やビジネスにおいて、納得のいく結果を得、目標を実現するためのシナリオ」と説明しています。
特に企業活動においては顧客の声に耳を傾け、それに対応する問題解決的思考だけでは、「イノベーションのジレンマ」にはまってしまいます。
先行して「強い想い」のもと、戦略的に考え、目標への道筋を描き、顧客を次の世界へと牽引していく覚悟を持って事業に取り組む必要があります。
また、立案した戦略を実行していく上では人を巻き込み、動機づけていく必要があります。同様のことが個人としての取り組みにおいてもいえるでしょう。
企業の一員として、また個人のキャリアとして戦略的思考を実践していくうえで参考になる一冊です。
三坂健 著
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