人材育成

【著者が語る】自分のスキルをアップデートし続けるリスキリング

ジャパン・リスキリング・イニシアチブ
後藤 宗明 代表理事

岸田首相の所信表明演説において、5年間で1兆円の投資計画が明らかとなり、リスキリングはついに国策として取り上げられるようになりました。

もともと欧米でリスキリングが注目された理由は、技術的失業を防ぐ最大の解決策として導入されたことにあります。AIやロボティクス等のデジタル技術の浸透による労働の自動化によって、人間の雇用が無くなる事態を未然に防ぐため、消失する仕事から成長分野の仕事への労働移動を実現するためです。

僕自身、40歳のときにデジタル分野へキャリアチェンジし、振り返ってみると10年間自分自身をリスキリングしてきたなかで行ってきたAI分野の仕事の経験から、日本でも労働の自動化が少しずつ始まり、欧米で定着したリスキリングが必ず日本でも必要になると確信しました。技術的失業を未然に防ぎ、日本のデジタル化に貢献するべく、2018年から日本でリスキリングを広める活動を開始しました。

新型コロナウイルス感染症の広まりによって、事業のあり方や仕事の進め方が劇的に変わり、デジタルに対する認識が日本でも急速に変化しました。DX等の組織変革に伴う人材育成ニーズが高まり、リスキリングが注目されるようになったのです。

昨年、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立し、政府や自治体向けの政策提言や企業向けのリスキリング導入支援を行なっています。自分自身のリスキリングの具体的な経験、2018年からの海外の成功事例の研究成果、具体的な導入実績をもとに、この書籍を上梓しました。

リスキリングは個人が自由に好きなことを学ぶ「学び直し」とは異なり、組織の変革ニーズに伴って組織が実施責任を持つ業務なのですが、この本は主に組織で働く個人に向けて書いたものになります。

現在自分が所属する組織の環境を利用しながらリスキリングを進めてゆく「リスキリングを実践する10のステップ」をお読みいただき、これからリスキリングを始める皆さんやリスキリングを導入したい企業担当者の皆さんのお役に立てたなら、これ以上の喜びはありません。

後藤宗明 著
日本能率協会マネジメントセンター
1,850 円+税

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