コンサルティング分野に特化した人材紹介会社アクシスコンサルティング(東京・千代田、山尾幸弘社長)は、コンサルティング業界の最新動向や採用事情を紹介する「ラウンドテーブル」を開催した。
近年、金融機関や事業会社などの異業種からコンサルティング業界に参入するケースが見られ、背景には、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進などを急ぐ企業からのコンサルティング会社に対する支援依頼の増加がある。
トークセッションでは「金融機関や事業会社がコンサルティング会社を立ち上げた背景」やコンサルティング業界の動向などについて意見交換が行われた。
中国地方の企業に対してDXやSX(サステナビリティトランスフォーメーション)を支援する、ちゅうぎんフィナンシャルグループのCキューブ・コンサルティング西原立代表取締役は「地方には、サステナビリティへの取り組みなどにおいて、日本の成長をけん引していく存在になる可能性を感じた」と社長着任時の想いを語り、地方創生には地域に密着し、地域課題を理解している企業の支援が必要と強調した。
丸紅のグループ会社、ドルビックスコンサルティングの武藤覚取締役COOは「丸紅は従来、テクノロジーを活用した戦略の立案や業務改善などで外部ファームの支援を受けてきたが、変革の知見やノウハウを社内に蓄積することや、丸紅グループ内のDX関連会社群に対して上流のコンサル機能を追加することでICT事業を軸にグループ全体の強化を図る目的があった」とドルビックスコンサルティング設立の狙いを説明した。
会社設立時の課題として、両社ともに優秀なコンサルタントの採用・確保の難しさを挙げた。ビジネスやテクノロジーの両面に知見を持つコンサルタントは少なく、業界内の採用競争は激しさを増しているからだ。
アクシスコンサルティングの人材紹介サービスを利用する両社は、アクシスコンサルティングの特徴について、コンサルティングファーム在籍者の4人に1人が登録している点に触れた上で、ちゅうぎんフィナンシャルグループの白神氏は「Cキューブ・コンサルティング設立の意義やコンセプトへの理解が深く、候補者へのヒアリングや、自社の価値観の訴求を適切にしてもらった。アクシスコンサルティングを通じて多くのコンサルタントを採用しており、さまざまな案件で活躍している」と述べた。
一方、ドルビックスコンサルティングからは、アクシスコンサルティングのWebサイトに社員インタビュー記事を掲載することでドルビックスコンサルティングの趣旨に共感し要件にマッチする人材が確保できている事例が紹介された。
トークセッションのモデレーターを務めたアクシスコンサルティングの伊藤文隆常務取締役は「今後も課題に応じた適切な人材紹介を通じて、各社の事業実現に貢献していきたい」と力を込めた。