はじめに
企業が保有する顧客名簿等の機密情報が持ち出され、その情報が競合他社に利用された場合には、競争力を失い、収益が減少し、さらに、事業継続が困難な事態となる可能性もあります。昨年9月には、「はま寿司」の営業秘密を持ち出した疑いで、競合他社である「かっぱ寿司」の代表者が逮捕されるという事件が報道されましたが、情報管理について関心が高いところかと思います。
本稿では、会社の内部情報の持ち出しについて、事前の情報漏えい策と事案発生後の初動対応という観点から、解説をします。なお、本稿は、経済産業省が公開した「秘密情報の保護ハンドブック」1(以下「ハンドブック」といいます)を参考にしていますが、今回紹介した以外にも役立つ情報が載っていますので、必要な項目について確認しておくとよいでしょう。