2022年に卒業し民間企業に入社した新入社員に聞くと、入社直後に「転職意向あり」は約3割、入社1年半時点では半数以上が「転職意向あり」と回答していることが全国求人情報協会が実施した「入社1年半時点の就業意識の実態調査」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部)
新卒で入社した企業・団体等への就業意識を聞いたところ、29.3%が入社直後の時点で「転職意向あり」(「転職を検討していた」「転職活動をしていた」の計)であった。
入社1年半時点での就業意識を聞いたところ、52.4%が「転職意向あり/転職」(「転職を検討している」「転職活動をしている」「すでに別の企業・団体等に転職した」の計)であった。
入社1年半時点(以下、現在)での「勤続者」は85.7%、「転職者」は14.3%となっている。
入社直後に「転職意向なし」は70.7%。入社直後から現在にかけて「転職経験なし転職意向なし」は回答者全体のうち42.4%、「転職経験なし転職意向あり」に転じた人は20.7%。
入社直後に「転職意向あり」は29.3%。入社直後から現在にかけて「転職経験なし転職意向あり」は回答者全体のうち17.4%、「転職経験なし転職意向なし」に転じた人は5.2%。
【入社直後と現在の転職意向】
●入社直後
全く転職するつもりはなかった 35.4%
当面転職するつもりはなかった 35.3%
転職を検討していた 23.8%
転職活動をしていた 5.5%
●現在(入社1年半時点)
全く転職するつもりはない 24.3%
当面転職するつもりはない 31.7%
転職を検討している 34.3%
転職活動をしている 9.7%
就職活動を通して、「心から入社したいと思える企業・団体等に入社を決めることができた」かどうかを聞いたところ、「あてはまる・計」が42.0%、「あてはまらない・計」が23.2%であった。
「心から入社したいと思える企業・団体等に入社を決めることができた」かどうか別に、入社直後の転職意向について見ると、「心から入社したい」企業に入社した人であっても、18.3%は入社直後からすでに転職を検討し、4.3%は転職活動をしていた。
入社前の想定と比べた入社後のギャップ(以下、入社後ギャップ)を見ると、「良かった・計」のスコアについては「同期との人間関係」が41.8%で最も高く、「職場の同僚(同期以外)との人間関係」が39.5%と続く。
一方、「悪かった・計」のスコアについては、「給与」が39.1%で最も高く、「働く上での評価の仕組み」が33.8%と続く。
転職者と勤続者別に、入社後ギャップの「悪かった・計」のスコアを比較すると、「勤務時間」の差分が25.6ポイントで最も大きくなっている。
【入社後ギャップの「悪かった・計」のスコア】
勤務時間 勤続者25.4%:転職者50.9%
上司の能力や資質 勤続者25.0%:転職者50.6%
仕事から得られる成長機会 勤続者23.7%:転職者48.8%
仕事から得られる達成感 勤続者25.1%:転職者49.3%
担当する仕事内容 勤続者26.0%:転職者48.9%
適職意識について見ると、入社直後では「よくわからなかった」が34.2%に対し、現在では21.9%と、12.3ポイント減少している。一方、「向いていると感じた」「向いていないと感じた」は共に増加した。
現在の適職意識別に転職意向を見ると、「向いていると感じている」人では「転職意向なし」が72.6%と、「向いていないと感じている」人よりも34.9ポイント高い。
【適職意識別 転職意向】
●向いていると感じている
転職意向なし 72.6%
転職意向あり 27.4%
●向いていないと感じている
転職意向なし 37.7%
転職意向あり 62.3%
調査は、2023年11月21日~29日、2022年3月末に大学または大学院を卒業・修了後、2022年4月から民間企業に正社員として就職し、現在の職業が民間企業で正社員・契約社員・派遣社員、もしくは公務員である人を対象にインターネットで実施し、766人の回答を得た。