パーソルキャリアがまとめた「doda転職求人倍率」によると、2024年3月の転職求人数は前月比100.4%、前年同月比120.4%となった。転職希望者数は前月比96.7%、前年同月比97.8%だった。(文:日本人材ニュース編集部)
転職求人倍率は前月比0.10ポイント増の2.77倍だった。
業種別にみると、求人数の前月比は12業種(「その他」を除く)のうち7業種で増加した。最も増加率が大きかったのは「コンサルティング」(前月比105.0%)、次いで「人材サービス」(同101.7%)だった。
特に求人数の増加率が大きかった2業種では転職求人倍率が「コンサルティング」で8.24倍、「人材サービス」で8.23倍と8倍を超えており、採用活動を活発に行う動きが続いた。
【業種別 求人数増加率(前月比)】
IT・通信 100.1%
メディア 96.9%
金融 98.9%
メディカル 99.5%
メーカー 101.0%
商社 100.9%
小売・流通 99.6%
レジャー・外食 98.2%
エネルギー 101.0%
建設・不動産 100.8%
コンサルティング 105.0%
人材サービス 101.7%
その他 95.8%
職種別にみると、求人数の前月比は11職種(「その他」を除く)のうち7業種で増加した。最も増加率が大きかったのは「専門職(化学・食品)」(前月比102.2%)、次いで「専門職(コンサル・金融)」(同101.7%)だった。
【職種別 求人数増加率(前月比)】
営業 99.4%
企画・管理 99.7%
エンジニア(IT・通信) 101.4%
エンジニア(機械・電気) 101.6%
専門職(メディカル) 100.7%
専門職(化学・食品) 102.2%
専門職(建設・不動産) 100.4%
専門職(コンサル・金融) 101.7%
クリエイター 99.1%
販売・サービス 96.5%
事務・アシスタント 100.3%
その他 101.7%
3月の求人数についてパーソルキャリアでは「伸びが大きかった2月と比較すると新たに募集を始める求人はやや落ち着いたものの、引き続き募集をしている求人の積み上げもあり、前月比で微増となった」とした。
転職希望者数は「新年度に向け転職活動を行う人が増えた1月、2月の反動を受けて、3月は微減した」と推測する。
4月以降の転職市場について、「求人数は、2024年度に採用を計画しているポジションの求人が続くため、横ばいまたは微増が見込まれる」とした。
また、「転職希望者数も、新年度がスタートすることによるキャリアへの心情変化や、部署異動などの環境の変化により、転職を検討する人がいること、また近年、新社会人が4月の段階で転職サービスに登録する動きがみられるため、増加が見込まれる」と推測している。
そして、2024年の春闘における平均賃上げ率が、令和6年春闘第2回回答集計(2024年3月21日集計、3月22日公表)で5.25%と前年同期を大幅に上回る結果となったことを受け、「企業の採用競争力は高まりが期待され、今後の求人動向に局所的な変化が見られる可能性がある」と指摘した。