帝国データバンクの「2024年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」によると、正社員給与について「賃上げ」する/した企業は77.0％に上っていることが明らかとなった。（文：日本人材ニュース編集部）
2024年4月の正社員給与の前年同月からの変化（見込み含む）について聞くと、「賃上げ」する/した企業は77.0％となった。
その内訳は、「3％増加」とした企業が22.0％でトップとなり、「5％増加」（15.0％）、「2％増加」（12.4％）が続いた。
一方、「据え置き」は16.6％、「賃下げ」は0.6％だった。連合の目標である「賃上げ率5％以上」を実現した企業割合は26.5％にとどまった一方、「5％未満」は67.7％と3社に2社にのぼり、厳しい結果となった。なお、「正社員はいない/分からない」は5.8％だった。
【2024年度の賃上げ実績（2024年4月時点）】
賃下げ 0.6％
据え置き 16.6％
1％増加 5.9％
2％増加 12.4％
3％増加 22.0％
4％増加 10.3％
5％増加 15.0％
6～8％増加 6.8％
9～11％増加 3.2％
12％以上増加 1.5％
規模別に「賃上げ」する/した企業の割合をみると、「大企業」は77.7％、「中小企業」は77.0％とほぼ同水準となった。
一方、「小規模企業」は65.2％と全体（77.0％）を11.8ポイント下回った。
2024年度入社における新卒社員の採用状況について聞くと、「採用あり」は45.3％、「採用なし」は53.1％となった。
規模別に「採用あり」の割合をみると、「大企業」は76.2％と全体（45.3％）を約30ポイント上回った一方、「中小企業」は40.9％、「小規模企業」は23.7％となり、全体を大きく下回った。
【2024年度 新卒社員の「採用あり」の状況】
全体 45.3％
大企業 76.2％
中小企業 40.9％
うち小規模企業 23.7％
新卒社員の採用がある企業に対して、初任給の金額を聞くと、「20～24万円」が57.4％でトップ、次いで「15～19万円」が33.3％で続いた。
初任給が「20万円未満」の企業の割合は35.2％と、3社に1社だった。
【2024年度 初任給の金額】
15万円未満 1.9％
15～19万円 33.3％
20～24万円 57.4％
25～29万円 7.2％
30万円以上 0.2％
