子どもがいる女性のうち19.3%は「育児退職」を経験、男性でも17.5%

子どもがいる女性のうち5人に1人は「育児退職」を経験していることが、マイナビ(東京・千代田、土屋芳明社長)が実施した「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

日本人材ニュース

子どもがいる女性のうち、育児との兼ね合いで退職する「育児退職」を経験した人は19.3%となり、5人に1人の割合だった。また、「育児退職」を検討したことがある人は24.3%となり、合わせて約4割強が育児を理由に退職を経験・検討したことがあるとわかった。

育休経験のある男性でも39.5%と4割弱の人が退職を経験・検討しており、男女問わず、育児と仕事の両立の難しさがうかがえる結果となった。

【育児との兼ね合いで退職・転職を考えたことがあるか】
●女性(n=300)
退職した計    19.3%
退職検討経験あり 24.3%

●男性(育児経験あり、n=200)
退職した計    17.5%
退職検討経験あり 22.0%

(退職した計は、「一度辞めて、その後働ける状況が整ってから正社員として再就職した」と「より条件の良い会社に転職した」の合計)

育休経験者に育休取得日数を確認したところ、女性では8割以上が「半年以上」と回答した。対して男性は3割程度が「2週間未満」、さらに1割半ばが「5日以内」に留まっている。

【育休取得日数】
●男性
5日以内      18.5%
6日~2週間未満  14.5%
2週間~1カ月未満 17.0%
1カ月~半年未満  28.0%
半年~1年未満   6.5%
1年~1年半未満   2.0%
1年半以上     1.0%
無回答      12.5%

●女性
5日以内      0.5%
6日~2週間未満  2.5%
2週間~1カ月未満 0.5%
1カ月~半年未満  9.0%
半年~1年未満  21.5%
1年~1年半未満  26.5%
1年半以上    37.0%
無回答      2.5%

次に育休取得で不安だったことを聞くと、男女ともに「収入減少」が最も高い結果となった。女性は「仕事の空白期間ができること」、「将来のキャリアへの影響」などキャリアに関する不安も一定数回答があった。

また、女性は「周りへの申し訳なさ」も2割半ばに上った。

【育休取得で不安だったこと 上位5(複数回答)】
●男性
収入減少      30.5%
人手が足りていない 21.5%
周りへの申し訳なさ 15.5%
仕事の空白期間ができること 15.0%
将来のキャリアへの影響 15.0%
(特にない 27.5%)

●女性
収入減少      52.5%
周りへの申し訳なさ 27.0%
仕事の空白期間ができること 25.5%
将来のキャリアへの影響 20.5%
人手が足りていない 19.5%
(特にない 19.0%)

「育休取得による現在のキャリアへの影響」は、男性は「影響はなかった」がトップで、次いで「ワーク・ライフバランスを意識するようになった」、「子持ちの同僚への見方が変わった」が僅差で上位にあがった。

一方女性は「ワーク・ライフバランスを意識するようになった」がトップだが、2位の「思うように働けなくなった」も僅差となった。

【育休取得によって現在のキャリアにどんな影響が出たか 上位5(複数回答)】
●男性
影響はなかった/なさそう 16.5%
ワーク・ライフバランスを意識するようになった(なりそう) 15.0%
子持ちの同僚への見方が変わった 13.0%
賃金にネガティブな影響 12.0%
仕事の効率化への意識が変わった(変わりそう) 11.5%
計画性をもって業務を進められるようになった(なりそう) 11.5%

●女性
ワーク・ライフバランスを意識するようになった(なりそう) 25.0%
思うように働けなくなった(就労時間)(なりそう) 23.5%
子持ちの同僚への見方が変わった 21.5%
賃金にネガティブな影響 20.5%
仕事の効率化への意識が変わった(変わりそう) 16.5%
仕事に新たな視点が生れた(生れそう) 16.5%

調査は、2024年3月1~3日、20~59歳の会社員(正社員)を対象にWEBで実施し、800人の有効回答を得た。(育休経験者、育休未経験者で各400名)

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