【新卒採用(体育会)】25年卒学生の採用目標未達企業が多数、26年卒採用活動の早期化を計画

日本人材ニュース

アーシャルデザイン
久野 晋一郎 取締役執行役員

【PROFILE】大学卒業後、マンパワーグループに入社。ジェイックを経て、アーシャルデザインには創業から参画。 スポーツ人材特化キャリア支援サービス・アスリートエージェントの事業統括。 創業依頼、体育会学生のキャリア支援に従事し、過去10,000名以上・約200大学・専門学校で講演。

結論から言うと、さらに採用・就職活動の早期化が進んでいる状況です。

当社は体育会学生に特化した採用支援サービス「アスリートエージェント」を展開していますが、求人依頼の問い合わせは昨年同時期対比で約2倍に増えています。問い合わせ企業は軒並み2025年卒学生が採用目標人数に対し40~60%の進捗と達しておらず、2026年卒学生に切り替えて早期から採用活動を行う計画を立てています。

また、支援先企業の2026年卒開始時期は昨年対比で1.5カ月ほど早まっており、従来はベンチャーやIT・人材業界など早期取り組みをする企業先が限定的でしたが、人材採用に苦戦している建設建築・介護福祉・飲食小売業界などの取り組みも増加しています。

各社は趣向を凝らしたインターンシップやオープンカンパニーを実施していますが、体育会学生は部活動が忙しく、就職活動に充てられる時間が限定的なため、希望企業先の就職イベントが拘束時間の長いものだと参加ができない実情があります。

対面での実施は会社の雰囲気や社員の人柄を理解させる上で有効ではありますが、体育会学生の採用活動という側面でいうと1~2時間程度でオンライン実施の説明会への参加率が高い傾向があります。

体育会学生はスポーツをやってきた先輩社員の有無、活躍具合に興味を示す傾向がありますが、その根底にはスポーツ・部活の経験が仕事で活きるのかという期待と不安があります。

この期待と不安を通して採用企業側が志望度醸成を図るポイントとしては、同じ体育会出身の社員を参加させる懇談会等があります。できれば新卒入社で、年齢の近い20代の先輩社員を参加させて働くイメージが湧く時間にします。

入社後にスポーツ経験が仕事でどう活きたのかを先輩社員自らの体験談で伝えることで期待を高め、自分にもできるという不安解消を図ることが結果的に体育会学生の志望意向を高める結果になります。

体育会学生というニッチな採用だけに、少しの工夫で募集を集めることが可能になります。

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