日本経営心理士協会
藤田 耕司 代表理事
【PROFILE】徳島県出身。19歳から心理学を学び、複数の心理系資格を取得。2004年から2011年まで監査法人トーマツに在籍後、コンサルティング会社と会計事務所を設立し、心理と数字の両面から経営改善を行う。高い成果を残す経営者やビジネスマンの共通点を心理学的に分析。その内容を基に人間心理に基づいた経営・ビジネスの手法を経営心理学として体系化し、年商300億円超の企業から個人事業主まで、のべ1200件超の経営改善を行う。また、経営心理学を体系的に学ぶ経営心理士講座を主宰し、多くの受講生が成果を出す。その成果が認められ、経営心理士講座の内容は大手企業や金融庁、日本銀行等でも導入され、日経新聞、ダイヤモンド、東洋経済、PRESIDENT等のメディアに取り上げられる。
私は経営心理士、公認会計士として1200件超の経営改善を行ってきました。その中で今、とりわけ多い相談が離職に関する相談です。
人手不足の中で部下に離職され、現場がひっ迫し、多くの方が疲弊しています。そして、「これだけ面倒見てきたのに、部下に辞められてショック」「部下の気持ちが分からない」「どう部下と接していいか分からない」といった声を数多く聞いてきました。その状況を目の当たりにし、部下がどういう時に離職を決意するのか、その心理を体系的に解説した書籍が必要だと思い、本書を執筆しました。
本書は離職の心理を4つの欲求に基づいて体系的にその心理を解説しています。人は生存欲求、関係欲求、成長欲求、公欲という4つの欲求を本能的に抱いています。
生存欲求は、安全に生きていきたいという欲求です。関係欲求は、良好な人間関係を築き、人から認められたいという欲求。成長欲求は、創造的、生産的でありたい、自分の可能性を追求したいという欲求。そして公欲は、人や社会の役に立ちたいという欲求です。
人はこれらの欲求を満たすために働きます。その欲求が満たされなくなると、それが離職の原因となります。その離職の原因を把握し、対応する具体的な方法を本書では解説しています。
また、部下のカテゴリーを20代、30代~ 40代、50代以上の3つに分け、さらに意欲別に上位、中位、下位の3つに分けています。その結果、①20代:上位、②20代:中位、③20代:下位、④30 ~ 40代:上位、⑤30 ~40代:中位、⑥30 ~ 40代:下位、⑦50代以上:上位、⑧50代以上:中位、⑨50代以上:下位の9つのカテゴリーに分類し、各カテゴリーに特有の離職の心理と対応策も解説しています。
あわせて具体的なエピソードを数多く紹介していますので、読者からは「実例が多くて分かりやすい」「自分も同じ経験をしたからすごく共感できる」といった感想をいただいています。
本書をお読みいただければ、離職を防ぐために部下とどう関わればよいかが体系的に理解できると思いますので、ぜひご覧いただければと思います。
藤田耕司 著
東洋経済新報社
1,800円+税