アスラビ
納崎 彩加 取締役
人事職は、大手・中小・スタートアップを問わずどの規模でも不足傾向は続いており、長期にわたり採用活動を行っている企業が多いです。有効求人倍率も1倍を超える見込みであり「売り手市場」が続くと思われます。
企業のニーズとしては、採用・育成・評価・人事企画・労務・総務などそれぞれの専門領域への人事経験や知識は当然ながら、加えて、働き方の多様化や見直しに伴う人事制度の改革、人事システム導入等のDX推進に伴い、全社を巻き込むプロジェクト推進や管理能力、高いコミュニケーション力が求められています。そのため、比較的30代・40代の経験豊富な年代が特にニーズとしては高く、20代や未経験層の採用は縮小傾向です。
一方、求職者の動きとしては、人事職で任される「働き方の多様化」の一例としても挙げられる「リモートワークやフレックス勤務ができる環境」を希望して転職活動をされる方が多いです。
決して業務に後ろ向きではなく、仕事も子育てもどちらにもしっかり向き合い就業時間をしっかり確保するために、通勤時間の削減や隙間時間(早朝や夜間)を活用したいというニーズが高まっています。とはいえ、出社しなければ対応できない業務も多い職種のため、出社と在宅をハイブリッド型で組み合わせた勤務スタイルを希望する方が多いです。
良い人材を獲得するためには、求職者のニーズにあるリモートワークやフレックス制度、それに伴うIT推進を行うことが不可欠ですが、それを推進する方が不足している点が採用を難しくしているポイントです。
推進者が不在の場合は、目先の採用を慌てずにまずは人材が不足している人事やDX推進等の業務をアウトソースする、専門のコンサルティングサービスに依頼する等、早急に社内の制度や就業環境の改革を進め、整えることが長期的な意味での採用成功につながります。
ただ、上記の事態を防ぐためにも、新卒や若手世代を人事職に積極的に配置し育成していくという意識を経営層が強く持つことが非常に大切です。